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ダーク・ファンタジー好き必見、2Dアクションゲーム『ブラスフィメス』がクラウドファンディングの目標金額を24時間以内に達成!

昨今のゲーム業界では、一昔前では考えられないような驚異的3DCGを余すところなく駆使した実写映画のようなグラフィック表現が大きなシェアを占めつつあるが、今回の話題はピクセルベースのグラフィックで構築したポイント&クリック形式のホラーアドベンチャーベーム『ザ・ラスト・ドア(原題:The Last Door)』で高い評価を受けた、スペインのインディーズ・ゲームデベロッパー「ゲーム・キッチン」(The Game Kitchen)による新作2Dアクションゲーム『ブラスフィメス(原題:Blasphemous)』の話題をご紹介したい。

前作のホラーアドベンチャー『ザ・ラスト・ドア』

本題の前に、参考までに前述の『ザ・ラスト・ドア』という作品に関して少しだけ触れておこう。

The Last Door
https://thelastdoor.com/presskit/sheet.php?p=the_last_door_season_one_ce

本作品は米国の作家エドガー・アラン・ポーと、同じく米国の作家ハワード・フィリップス・ラヴクラフトの作品にインスパイアされた古典ホラー的趣を持つ作品であり、プレイヤーは主人公であるジェレミア・デビット(後には彼の精神科医であるウェイクフィールド博士)を操り、“ベール”(Veil)と呼ばれる超自然的土地の秘密を調査するという内容のアドベンチャーゲームである。

The Last Door
https://thelastdoor.com/presskit/sheet.php?p=the_last_door_season_one_ce

では、同作品の予告編映像が公開されているので、その片鱗に触れていただきたい。

低解像度のピクセルヴィジュアルに刺激されるプレイヤー自らの想像力と、カルロス・ビオラによる重厚な音楽が混じり合って生み出されるその世界観は、まるで実写の恐怖映画を観ているような錯覚さえ起こしてしまう。これはゲームのクオリティーというものが、単に最先端の3DCG技術だけに依存するものではなく、如何にしてプレイヤーの頭の中により具現的な世界を構築させるかということの重要性を示唆するものである。どんなに美しいきめ細かなグラフィックも、想像力を圧倒するほどの世界は生み出しきれないということでもあるだろう。かつてのファミコン時代のゲームが現在でも支持される理由は、そこにこそあるのではないだろうか。

本作品は、Android、iOS、Windows、Mac OS、そしてLinuxそれぞれに対応したものがリリースされているようなので、興味を持った方はこちらの公式サイトで詳細をご覧いただきたい。

黙示録的2Dアクションゲーム『ブラスフィメス』

それでは、本題である新作2Dアクションゲーム『ブラスフィメス(原題:Blasphemous)』の話題に移ろう。

Blasphemous
https://thelastdoor.com/presskit/sheet.php?p=blasphemous

この文章を書いている2017年5月末現在、制作元であるゲーム・キッチンはクラウドファンディングのキックスターター(Kickstarter)において本作品制作の支援金募集を開始している。しかしなんと開始からわずか24時間以内に5万ドルの目標金額を達成し、現在すでに目標金額を遥かに上回る支援金を獲得している。ちなみに前述の『ザ・ラスト・ドア』に関しても、別のクラウドファンディングにおける支援金獲得に成功している作品だそうだが、これは同デベロッパーの作品に強い期待を寄せる愛好家が数多く存在するという証であり、同時に作品のクオリティーに対する信頼性を表すものだとも言えるだろう。

さて、本作品はやはりピクセルベースのグラフィックを用いたノンリニアの2Dアクションゲームであるが、前作とはやや趣を異にした、黙示録的なダーク・ファンタジー要素に満ち溢れた作品となっている。物語の舞台である正教会区の地で教皇の身に起こった怪異、それに端を発して次々と異形の者に変貌を遂げる教会職員たち、プレイヤーはその邪悪な伝播を食い止める任を受けた、孤独な流浪人“ザ・ペニテント・ワン(悔い改めし者)”(The Penitent One)として、ゲームをプレイすることになる。

Blasphemous
https://thelastdoor.com/presskit/sheet.php?p=blasphemous

個人的にはなんとなく三浦建太郎による漫画『ベルセルク』を想起してしまうような世界観だが、より本作品を知るために、公開されているプロモーション映像をご覧いただきたい。

キャラクターの圧倒的なスピード感と躍動感、そして背景に広がる多重な奥行きの中に蠢く黙示録的世界、アクションゲームの肝となるボスキャラも凄まじい迫力で描かれている。そしてやはりこの描写をピクセルベースに頼る意味としては、前述にもあるプレイヤーによる想像力の隙間の幅を考えてのことではないのだろうか。全編に渡り暗黒的な表現に塗れてはいるが、まさに美しきダーク・ファンタジー作品となっている。ひとつ気になるのは、キーヴィジュアルともなっている主人公の兜であるが…、あのイバラの巻きついた超とんがり帽子は、“悔い改めている”というスーパーアピールなのだろうか?あの無駄を頭に装着してあれほど機敏な動きを見せるとは、只者ではない。

本作品のプラットフォームに関しては、Windows、OSX、Linuxに対応したものを準備しているとのことだが、さらにはPS4、Xbox One、Nintendo Switch、PSVitaも視野に入れて現在交渉中だとのことである。

そして気になる本作品のリリースは2018年11月とのことで、まだずいぶん先のようだが、今から大いに期待の高まる作品である。

Eyecatch Image:https://thelastdoor.com/presskit/sheet.php?p=blasphemous

Writer

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MujinaMujina Tsukishiro

普段はあまり摂取しないコーヒーとドーナツを、無駄に欲してしまう今日この頃。You know, this is - excuse me - a damn fine cup of coffee.

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