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【特集】全米2位!『パイレーツ・オブ・カリビアン』ジャック・スパロウのセリフから名付けられたカリスマ・バンド『BRING ME THE HORIZON』航海録

「水平線までひとっ走りだ!(Now, bring me the horizon!)』

パイレーツ・オブ・カリビアン / 呪われた海賊たち』(2003)ラストでジョニー・デップ演じるキャプテン・ジャック・スパロウはこう叫び、新たな冒険の幕開けを示唆する。

この”Bring me the horizon”というセリフをそのままバンド名に起用した、その名も“Bring Me The Horizon(ブリング・ミー・ザ・ホライズン)”というロックバンドをご存知だろうか。日本でも”ブリングミー”や”BMTH”の呼称で人気の同バンドは、デスメタルとメタルコアのスタイルを持ち合わせた”デスコア”と呼ばれるハードなジャンル出身ながら、2015年にリリースされた5作目のアルバム”That’s the Spirit”では全米チャート2位まで登りつめるほど、欧米の若者を中心に絶大な支持を集めるカリスマ的存在だ。

bring me the horizon
copyright 2016 Chuffmedia

オリヴァー・サイクス(Vo)、リー・マリア(G)、マット・キーン(B)、マット・ニコルス(Dr)、ジョーダン・フィッシュ(K)からなる5人組は、2004年3月、イギリスのシェフィールドから出発した。当初は”デスコア”ジャンルに分類されたBring Me The Horizonは、端正なルックスのボーカル、オリヴァーの激しいステージ・パフォーマンスやファッション性も相まってアンダーグラウンド・シーンで瞬く間にファンを拡大した。

ボーカルのオリヴァーは、『パイレーツ・オブ・カリビアン』のセリフから得たバンド結成当初の影響を隠していない。「映画の最後で、本当に最後のセリフだったと思うんだけど、ジョニー・デップが”水平線まで行くぞ”って言うんだ。このセリフにすごくインスパイアされてね。僕はこの映画が出た当時、まだ両親とイングランドのシェフィールドに暮らしていて、バンドで音楽をプレイしながら、イングランドや世界中をツアーで旅して見て周りたいと思っていたんだ」と語っている。また別のインタビューでギタリストのリー・マリアは、「(Bring Me The Horizonというセリフには)シンプルに”Let’s Go”として捉えることができる。これってバンドがこの先栄光に向かって突き抜けていくことを象徴しているなと思って」とも言い表している。

2017年劇場公開のシリーズ最新作『パイレーツ・オブ・カリビアン / 最後の海賊』でも尚キャプテン・ジャック・スパロウが冒険の舵を取るのと同様、ロックバンドBring Me The Horizonも彼らの栄光に向けた航海の最中だ。今回は、今や“UKの最も重要なロック・バンド”(英Kerrang!誌)と称されるモンスター・バンドとなり、一挙一動が注目されるほどのスーパー・ロック・スターとなった彼らが取ってきた航路を紹介したい。

デビュー間もなくシーンの要注目バンドへ

Bring Me The Horizonは、2005年にデビューEP”This is What the Edge of Your Seat Was Made For”を1,000コピー限定でリリースすると、同EP収録曲がイギリスで最も権威ある音楽メディアNMEの特集”501 Lost Songs”でMarilyn MansonやSlipknot、Metallica、KORNらと共に取り上げられる。デスコア界期待の新星として勢力を拡大する彼らは、2006年にはイギリスのロック専門誌Kerrang!の最優秀英国新人賞を獲得する。

2006年にはデビュー・アルバム”Count Your Blessings”をリリースし、早くもLostprophetsやThe Blackoutといった人気バンドのUKツアーに帯同、2007年にはBury Your DeadやKillswitch Engageとヘッドライン・ツアーを行えるほどの実力者に。

Suicide Season

2008年に名門Epitaphとライセンス契約を結んでリリースしたセカンド・アルバム“Suicide Season”では、メタルコア、叙情派ハードコア、オルタナティヴ・ロックを独自に解釈し、エレクトリックの要素すら吸収。驚異的な成長を遂げた彼らはデスコアというジャンルの垣根を越えたアグレッシヴなアプローチを見せており、スプラッター映画を彷彿させる強烈なジャケットと共に、シーンを中心に大きな話題に。このアルバムを引っさげ、アメリカの巨大フェスWarped Tourに参戦している。

Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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