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マイケル・ベイ『トランスフォーマー/最後の騎士王』がシリーズ最後の監督作に?堂々の卒業宣言(通算4回目)

映画『トランスフォーマー/最後の騎士王』を監督するマイケル・ベイが、『トランスフォーマー』シリーズからの卒業を宣言した。2007年『トランスフォーマー』から本シリーズを継続して監督してきたベイは、映画情報サイト「ファンダンゴ」のインタビューでこう述べているのだ。

「(『トランスフォーマー』シリーズで)僕が作ってきたのは、ものすごく巨大な映画だよ。とても疲れたんだ。僕は十分に働いたし、素晴らしい時間を過ごしたよ。この作品(『最後の騎士王』)で監督を降りるつもりなのさ、調子の良いうちに去らないとね。よく走り切ったと思うし、ほかにも撮りたい映画がたくさんあるんだよ」

まさに堂々のシリーズ卒業宣言……なのだが、実はベイが『トランスフォーマー』の監督を降りると宣言したのは今回が初めてではない。シリーズ5作品を監督する中で、なんと今回で4度目の卒業宣言なのである。

マイケル・ベイ、過去3回の卒業宣言を振り返る

①『トランスフォーマー』(2007年)

ベイが初めて『トランスフォーマー』シリーズを卒業をほのめかしたのは、なんとシリーズ第1作『トランスフォーマー』(2007年)の製作後だった。ベイは自身のオフィシャル・フォーラムで、続編の製作スケジュールに言及しながら「逃げ出して1年くらい帰って来ないかも」とストライキを示唆したのだ。

もちろんご存知の通りストライキは実行されず、彼は第2作『トランスフォーマー/リベンジ』(2009年)でも監督を務めている。ところがこの第2作は、ゴールデンラズベリー賞を獲得するなど非常に厳しい評価を受けたのだった……。

②『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』(2011年)

第2作『リベンジ』が不評だった反動から、ベイは第3作『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』(2011年)の製作に全力で打ち込んだようだ。しかし2度目の卒業宣言が飛び出したのは、その製作中の出来事であった。

「2年間、毎日仕事をしているんだ。2作目の埋め合わせをしたいし、できる限りのことをして、このシリーズを離れたいと思ってるのさ。我ながらよくやってるし、撮影は楽しいよ」

なお、この『ダークサイド・ムーン』をもって3作品の主演を務めてきたシャイア・ラブーフがシリーズを降板している。かねてからの宣言通り、ベイも同じように『トランスフォーマー』を去るか……と思いきや、それでもベイはシリーズに続投したのである。

③『トランスフォーマー/ロストエイジ』(2014年)

第4作『トランスフォーマー/ロストエイジ』(2014年)にも監督としてのカムバックを果たしたベイは、そのプロモーション中、3度目の卒業宣言を口にしている。しかしこの時は、過去2回とは少し方向性が異なった。彼はシリーズを新しい監督に託し、自らは新たな展開を考えていたようなのである。

「新しい展開、新たな方向性の映画を作りたいんだ。語りたいストーリーがたくさんあるし、(監督を交代して)きちんと肩ならしをするんだよ」

ところが2017年、ベイは第5作『最後の騎士王』でも監督を務めることになった。しかしベイは今度こそ本気なのかもしれない。なぜなら本作での卒業を彼が明言したのは「ファンダンゴ」のインタビューだけではないのだ……。

今度こそ本気の卒業か

2016年1月、ローリング・ストーン誌のインタビューに登場したベイは『トランスフォーマー』についてこう述べていた。

「『トランスフォーマー』は僕にとってまだ素晴らしい時間だよ。1億人に観てもらえる映画を作るのは楽しいしね。でも今回(『最後の騎士王』)が最後だ。別の誰かに託さないと

さらに2017年2月、ベイは自身の公式サイトで発表したコメントにもこう記している。

「『トランスフォーマー』を作るたび、僕は“これが最後になる”と話してきた。でも世界中で映画を観てくれる1億2,000万人のファンや、(ユニバーサル・スタジオの)アトラクションに並んだ行列、撮影現場に来てくれる夢みる子どもたちが、なんとか僕を引き戻してくれたんだ。僕は『トランスフォーマー』を作るのが大好きだ。この映画(『最後の騎士王』)の撮影は特に楽しかった。でも今回こそ、本当に最後になるかもしれない。だから精いっぱい作っているよ」

また記事冒頭で触れた「ファンダンゴ」のインタビューで、ベイはこのようにも語っている。

「血みどろの殺し屋を描いた脚本を読んだんだ、ページをめくる手が止まらなかったよ。映画化できたら楽しいだろうね。『13時間 ベンガジの秘密の兵士』『ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金』を作るのは最高だった。(次回作は)もっとシリアスでアダルトな映画になると思うよ」

ベイが『トランスフォーマー』という作品に費やした約10年という時間は、一人の映画監督にとってはあまりにも長い。もちろん第6作目に帰ってくる可能性も十分ありそうだが、ひとまず『最後の騎士王』がベイにとって最後の『トランスフォーマー』だという覚悟をしておいても良いだろう。

マイケル・ベイ監督がシリーズで有終の美を飾る(かもしれない)、映画『トランスフォーマー/最後の騎士王』は2017年8月4日公開

Sources: http://www.slashfilm.com/interview-michael-bay-talks-transformers-dark-moon/
https://www.usatoday.com/story/life/movies/2014/08/07/michael-bay-transformers-teenage-mutant-ninja-turtles/13295115/
http://www.rollingstone.com/movies/features/13-hours-can-michael-bay-pull-off-a-gritty-movie-about-benghazi-20160104
http://io9.gizmodo.com/a-brief-history-of-michael-bay-quitting-the-transformer-1791977788
https://www.fandango.com/movie-news/interview-michael-bay-on-bad-boys-3-and-what-comes-after-transformers-the-last-knight-752393
http://screenrant.com/michael-bay-wont-return-direct-transformers-6/
(C)2016 Industrial Light

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。