Menu
(0)

Search

『ボヘミアン・ラプソディ』ブライアン・メイお気に入りのシーン、削除される可能性があった ─ 「すごくフレディらしい演技だった」

ボヘミアン・ラプソディ
© 2018 Twentieth Century Fox

伝説のバンド、クイーンとフレディ・マーキュリーを描いた映画『ボヘミアン・ラプソディ』は、劇場公開から1ヶ月を経てもなお強烈な人気を示している。
この映画で主演を務め、見事なパフォーマンスでアカデミー賞ノミネートの声もささやかれているのがラミ・マレック。クイーンのメンバーであり、映画の音楽総指揮を担当したブライアン・メイもその演技には驚かされたという。

Louderのインタビューで、メイは『ボヘミアン・ラプソディ』の制作秘話を語っている。本編でメイが特に気に入ったシーンは、あわや削除されてしまうところだったのだ。その場面こそ、メイがマレックの演技を見て本当に驚かされた箇所だったという。

この記事では、映画『ボヘミアン・ラプソディ』の内容に言及しています。

ボヘミアン・ラプソディ
ワールド・プレミアにて(ブライアン・メイは左から2人目) © 2018 Twentieth Century Fox

「すごくフレディらしいと思った」

『ボヘミアン・ラプソディ』の劇中、メイがマレックのシーンで一番気に入っているのは「フレディが勇気を振り絞って、ソロアルバムを作ると僕たちに話すところ」だという。しかしこの場面は、スタジオ側の要求によってカットされる可能性があった。

「あのシーンは映画から危うくカットされてしまうところでした。ちょっとした秘密ですが、もっと(上映時間を)短くしろという要求が常にあって。でも残してもらうよう、僕たちは戦いました。あのシーンのリアリズムには、本当に胸が張り裂ける思いがしたんですよ。あれは僕たちにとって辛い出来事だったんです、フレディが家族を見捨てるようなものでね。」

ここで、メイは「リアリズム」という言葉を使っている。このシーンでマレックが見せた演技には、メイをしてフレディ・マーキュリー本人を思わせるところがあったというのだ。

「素晴らしい演技でしたね。あれはほとんど脚本に書かれていないんですよ。あの場面を観て、すごくフレディらしいなと思いました。彼は静かに話して、タバコを吹かせて、あまり言葉にはしたがらない。最後には言葉にするんですが、それもあらかじめきちんと準備しておいたものなんです。でも、彼が不安を抱えているのはわかるんですよね。」

ボヘミアン・ラプソディ
© 2018 Twentieth Century Fox

「フレディはこの映画を好きになると思いますか?」という問いかけに、メイは「そう思います」と答えた。

「きっと、彼は“とうとう捕まっちゃったな”って思ったはずですよ。(映画では)フレディの偉大なところや間違いやすいところ、不安な部分まで、すべてがまるごと描かれています。彼のことがそのまま、持ち上げることなく描かれているんです。それでいて、彼の才能はきちんと理解されている。
つまり、フレディには自分が唯一無二だという自信があったんですよ。後にも先にも、僕は人生でフレディのような人には会ったことがありません。きっと、もう二度と出会わないと思います。」

映画『ボヘミアン・ラプソディ』は2018年11月9日(金)より全国の映画館にて公開中。

『ボヘミアン・ラプソディ』公式サイト:http://www.foxmovies-jp.com/bohemianrhapsody/

Source: Louder

Writer

アバター画像
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

Ranking

Daily

Weekly

Monthly