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「テニスとは孤独なスポーツだ」 ─ 『ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男』主演スベリル・グドナソンへインタビュー

『ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男』
© AB Svensk Filmindustri 2017

ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男
© AB Svensk Filmindustri 2017

──二人はとても良いライバルですね。そんなマッケンロー演じるシャイアとの共演はいかがでした?

彼と仕事をするのは本当に大好きです。素晴らしい俳優で、とても面白い方でしたよ。それに、この映画に思い切り身を捧げていました。彼は大きなエネルギーを持って現場に現れて、みんなの仕事での道徳感を高めてくださるんですよ。とてもスマートな俳優ですね。

──シャイアの出演作品でお気に入りは?

僕の一番のお気に入りは…。『American Honey(原題)』(2016)の彼は特に素晴らしかった。アンドレア・アーノルドの作品なんですけど、シャイアは最高でした。いつも上手いんですよね。

ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男
© AB Svensk Filmindustri 2017

ウィンブルドンの試合シーンがお気に入り

──映画の中でどのシーンが一番お気に入りですか?

試合の撮影はすごく楽しかったな。特にクライマックスの試合ですかね。このシーンは、猛暑のプラハで10日もかけて撮影したんですよ。実際にウィンブルドンのスタジアムを建てて、6oo人ほどのエキストラに観客席に座ってもらいました。大変な撮影でしたね。でも、スタジアムへ出て行くと、まるで実際にウィンブルドンにいるかのような感覚でそれに、シャイアと一緒にやれたのは楽しかったな。

それから、撮影風景をリークされるわけにもいかなかったのですが、誰かがドローンをスタジアムの上に飛ばして写真を撮っちゃったんですよ。ゴシップ紙に掲載されてしまって。でも、それ以外の写真は何も流出しませんでしたね。

──ウィンブルドンの試合を撮影するに向けて、テニスの練習をするのは大変でしたか?

そうですね。テニスって地球上で最も難しいスポーツなんじゃないかと思いましたよ。本当にハードでしたけど、毎日2時間、6ヶ月間コーチと一緒に特訓しました。

──6ヶ月もの間、毎日練習は大変でしたね。テニスの撮影シーンでは、ボールなしでの撮影が行われたという噂を聞いたのですが、テニスをボールなしで演じるのはどういう感覚でしたか?

6ヶ月間の特訓ではボールを使っての練習もたくさんしました。なので、テニスシーンの撮影時にボールを使用する時もありましたよ。ボールなしで撮影する時は、ダンスする感覚だったかな。僕とシャイアは完璧なストロークを習得して、それをボールなしで行ったんです。後で(CGで)足すから、ボールがあるものとして演じなくてはいけなくて。でも楽しかったですよ。ボールがあった方が僕は好きでしたけど(笑)。

ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男
© AB Svensk Filmindustri 2017

──映画では、ボルグがテニスの試合前にルーティーンを行う場面がたくさん描かれていました。スベリルさんもボルグのように、撮影前のルーティーンはありますか?

いいえ、基本的にはないですね。でも、ストックホルムの舞台に出演していた頃はありました。全てを同じ順番で行って、同じ時間に同じ食べ物を食べるんです。あと、メイクをいつも同じ時間に行って、同じ椅子に座る。そんな感じのことをやっていましたね。でも、子供ができてからは、このルーティーンがストレスになってしまったんです。子供中心で行動していると、急に何かをしないといけなくなるから、ルーティーンを守るのが難しくなっちゃって。だから、ルーティーンをやめました。でも、舞台は結局うまく行ったんで、もう必要ないかなって。

スウェーデン映画と外国の映画の違い

──ハリウッド映画『蜘蛛の巣を払う女』への出演も発表されていますが、スウェーデン映画とそれ以外の国の映画に出演することへの違いはありますか?

ハリウッドの大作映画は、全部が大きくて、人もたくさんいて、お金もたくさんで。とにかく全てが”たくさん”なんです。それから、言語の面でも、少し違いますかね。母国語の方が楽ですから。アドリブするにも自分の母国語の方がやりやすいですし。なので、インターナショナル映画をやる時は、もっと準備が必要ですね。

でも、結局は全部一緒ですよ。カメラがあって、俳優がいて、映画のシーンがある。そして、演技をやらなければならない。それに、分からないことや、行わなければならないことはどの映画でもあります。例えば、この映画を撮影するまではテニスコートに立ったことがありませんでしたし。でも、なんでも学べるんです。

Writer

Marika Hiraoka
Marika Hiraoka

THE RIVER編集部。アメリカのあちこちに住んでいました。

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