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配信時代にも「劇場興行収入は重要」ディカプリオ訴える ─ 『ワン・バトル・アフター・アナザー』は「観たことのないアクション映画」

ワン・バトル・アフター・アナザー
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レオナルド・ディカプリオと、巨匠ポール・トーマス・アンダーソンが初めてタッグを組んだ映画『ワン・バトル・アフター・アナザー』が10月3日に日本公開される。これに先がけ、9月26日にはいよいよ米国公開がスタートする。

本作はアンダーソン監督史上最高の製作費1億3,000万ドルが投じられた、大スケールの“闘争劇”。NetflixやApple、Amazonなどストリーミング各社がオリジナル映画に注力するなか、ディカプリオは現在でも「興行収入は重要」だと米Varietyにて訴えた。

「今はコンテンツが氾濫し、たくさんプロダクションが動いている。それはもちろん良いことですが、興行収入は重要だと思います。人々が映画館に足を運び、客席に座り、体験を共有するという意味で、興行収入は重要なのです。」

数年に一本のペースで、練り上げられた脚本と演出によるオリジナルの長編映画を大規模公開できているポール・トーマス・アンダーソンは、いまや世界でも稀有な映画作家のひとりだ。ディカプリオも言及しているように、本作ではキャリア初といっていい、本格的な「アクション映画」でもある。

「ポールはビスタビジョンでこの映画を撮りました。60年代初頭以来、ほとんど使われていないカメラです。彼は観客に映画への没入体験を提供したい、そして予想外で、身近で、リアルな、僕たちがよく見てきたものとはまるで異なるアクション映画を作りたいと考えたのです。その点で、興行収入は非常に重要なのです。」

本作はアメリカにて、オープニング興行収入2,000万~2,500万ドルと予想されている。製作費を鑑みるとやや心もとないスタートだが、Rotten Tomatoesでは批評家スコア98%、観客スコア86%という高評価を獲得。口コミで思わぬ化け方をすることもありうるのが、映画興行の面白みだ。「みなさんが劇場に出かけ、本来のかたちで映画を体験してくださることをただ願っています」とディカプリオは言う。

監督・脚本・製作はポール・トーマス・アンダーソン。『マグノリア』(1999)で第50回ベルリン国際映画祭金熊賞、『パンチドランク・ラブ』(2002)で第55回カンヌ国際映画祭監督賞、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(2007)で第58回ベルリン国際映画祭監督賞、『ザ・マスター』(2012)で第69回ベネチア国際映画祭銀獅子賞に輝き、3大映画祭を制覇した世界唯一の監督だ。

出演者にはレオナルド・ディカプリオ、ショーン・ペン、ベニチオ・デル・トロという名優陣に加え、レジーナ・ホール、テヤナ・テイラー、そして新鋭チェイス・インフィニティ。音楽はジョニー・グリーンウッド、撮影監督はマイケル・バウマン、美術監督はフロレンシア・マーティン、編集はアンディ・ジュルゲンセンと『リコリス・ピザ』(2021)チームが再結集した。衣裳デザイナーは数々の映画賞に輝くコリーン・アトウッド。

映画『ワン・バトル・アフター・アナザー』は2025年10月3日(金)全国劇場公開。

Source: Variety

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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