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マーベル『ブラックパンサー』エヴェレット・ロス、善人でも悪人でもない「グレー」の魅力

マーティン・フリーマン
Photo by Fat Les (bellaphon) https://www.flickr.com/photos/bellaphon/4410297582/ Remixed by THE RIVER

「(『ブラックパンサー』の)キャラクターは、すごく善人でも、すごく悪人でもないところが面白い。だって、現実の世界はもっと複雑ですから。ロスはそんなグレーな部分で生きていて、そこが魅力的なんです。」

またマーティンは、現実世界の社会や人々と照らし合わせながら、自身の演じるロス役についてこう説明する。

「僕は(現実には)白黒いずれかだとは思いませんし、多くの場合、人々はそれぞれ自分のベストを尽くしているわけです。ロスもアメリカのためにベストを尽くしている。

みんな、常に妥協しているし、だいたいはそうしなきゃいけないでしょう。意見が合わない人を全員殺そうとでもしていない限り、間違った方向か、つらい方向か、自分の行く道を選ばなきゃいけない。嫌いな人とでもうまくやっていくためにね。ユリシーズ・クロウはひどい人間ですが、それでも交渉には臨まなきゃいけないんです。」

では劇中で、ロスはティ・チャラやワカンダの人々とどのように関わり、どのように変化していくのだろうか。マーティンは「ロスはティ・チャラが好きですよね、敬意を抱いてますよ」と述べて、そこからストーリーのポイントを紐解いていく。

「ロスは自分が関わるものについて何も知りません。地理的にも、文化的にも、歴史的にも。ヴィブラニウムの影響やその意味も分かってない。クロウが持っていて、武器に使えることは知っていても、まさかそれで一国が成り立っているなんてね。僕がロスのことを好きなのは、使い古された言葉ですけど、彼がある物事を考えて、発見して、視野が広がるという経験をするからなんですよ。」

マーティン・フリーマン、『ホビット』以来の大作映画

マーティン・フリーマン
Photo by Fat Les (bellaphon) https://www.flickr.com/photos/bellaphon/4410297582/

Remixed by THE RIVER

『ブラックパンサー』でエヴェレット・ロス役を演じるマーティン・フリーマンは、1971年生まれの46歳(2018年3月時点)。1997年ごろより舞台・テレビなどで活躍をスタートさせ、のちに映画館でもその存在感を発揮。『銀河ヒッチハイク・ガイド』(2005)で主演を務めたほか、『ベイビー・ドライバー』(2017)のエドガー・ライト監督が手がけた『ホット・ファズ —俺たちスーパーポリスメン!—』(2007)や『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』(2013)などに出演している。

しかし、マーティンを日本で一躍有名にしたのは、ドラマ『SHERLOCK/シャーロック』(2010-)のジョン・ワトソン役だろう。シャーロック・ホームズを演じたベネディクト・カンバーバッチは、マーベル・シネマティック・ユニバースでドクター・ストレンジ役を演じているだけに、いずれエヴェレット・ロスとの対面を望むファンが少なくないのも頷ける。

映画『ブラックパンサー』は、マーティンにとって『ホビット』3部作(2012-2014)以来となる大作映画への本格出演だ。主演に抜擢された同シリーズで、彼は『ブラックパンサー』でユリシーズ・クロウを演じたアンディ・サーキスとの共演を果たしている。久々の再会について、マーティンはワールド・プレミアのインタビューでこう語っていた

「最高ですね。アンディとはロンドンからの友人で、『ホビット』で共演して。彼は本当に楽しい人だし、一緒に仕事をするのはすごく嬉しいんです。」

ちなみに『ホビット』の中つ国と『ブラックパンサー』のワカンダ、二つの世界観を比較すると……?

「どちらも、とっても感動的ですよ。この手の映画を撮影するのは、ものすごく想像力を必要としますね。『ホビット』を観て、お客さんは“あっ、このシーンは駐車場で撮ってるな!”とは思わないでしょう。実際はそうだったわけですけど。」

映画『ブラックパンサー』は2018年3月1日より全国の映画館で公開中。

Sources: https://screenrant.com/black-panther-set-visit-martin-freeman-interview/

http://www.denofgeek.com/us/movies/black-panther/271044/black-panther-reinventing-everett-ross

http://torontosun.com/entertainment/movies/hes-no-goofy-white-guy-black-panthers-martin-freeman-explains-what-makes-his-character-tick

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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