「ブレイキング・バッド」シリーズは続く?「将来的に何かできるかも」「このままにしておきたい」と製作者

「ブレイキング・バッド」(2008-2013)を皮切りに、スピンオフ「ベター・コール・ソウル」(2015-2022)、映画『エルカミーノ: ブレイキング・バッド THE MOVIE』(2019)と、同ユニバースの作品を手がけてきたヴィンス・ギリガン。以前「ベター・コール・ソウル」をもってユニバースの完結を示唆していたが、時々さらに語るべき物語がないか考えることもあるようだ。
米Varietyのインタビューで「特定のキャラクターが今何をしているか、考えたことはありますか?」と聞かれたギリガン。時々「彼らに何が起こったか空想している」と答え、特に主人公ウォルターの妻スカイラー(アナ・ガン)&息子ウォルターJr.(RJ・ミッテ)に対しては「ハッピーエンドを願わずにはいられません」と語った。「『ブレイキング・バッド』の終わりは、このキャラクターたちにとってハッピーエンドとは言えませんでした。しかし、その人生は続いていくことが提示されている。彼らにとって物事が良くなると信じたいですね」。
またギリガンは、ウォルターJr.が「犯罪ビジネスでウォルターの足跡をたどる展開は考えたくもない」とコメント。「ウォルターJr.がアルバカーキの犯罪王になり、父親が失敗した仕事を継ぐといった物語を、10年後や15年後に誰かが売り込むかもしれない」とし、「そんなの番組にとって悲しいオマージュです。キャラクターがどうなるかを考えるのは楽しいですが、“この物語をもっと語りたい”というレベルには達しない。でも、数年後にはどうなるかわかりませんね」と語った。
もっとも、ある一定の条件がそろえば、ギリガンは「ブレイキング・バッド」ユニバースの新企画を進めるかもしれない。「本当に『ブレイキング・バッド』『ベター・コール・ソウル』に永遠の別れを告げたと思うか?」という質問に、こう回答している。
「本音を言うと、もし次回作とその次の作品で失敗して、誰もそれを見たがらず、みんなが『ブレイキング・バッド』を見たがるようであれば、わかりませんね。もしかしたら将来的に、何かできる道が開けてくるかもしれない。」
しかし、ギリガン自身は出来れば「このままにしておきたい」らしく、「『ブレイキング・バッド』と『ベター・コール・ソウル』は私の生涯の作品であり、私の墓石に刻まれる最初の作品。これ以上の誇りはありません。さらに語るべき物語があるのではないかと少し考えていますが、死に馬にむちを打つことはしたくはない」と語っている。ただし、ユニバースが続く可能性は「絶対にないとは言い切れない」とのことだ。
ちなみにギリガンは次回作として、「ベター・コール・ソウル」キム役のレイ・シーホーンが主演を務めるSFドラマが待機中。「ブレイキング・バッド」と同じアルバカーキが舞台だが、全く異なる物語になるという。
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Source:Variety