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『バック・トゥ・ザ・フューチャー』全3作を徹底解説 ─ あらすじ、小ネタ、マーティの謎も解明

バック・トゥ・ザ・フューチャー
© Universal Pictures Photographer: Ralph Nelson, Jr. 写真:ゼータイメージ

バック・トゥ・ザ・フューチャー3部作は、タイムトラベルで過去や未来を行き来するという画期的な発想で世界を席巻したSF映画の金字塔。PART1の公開から約35年が経ってもいまだに世界中で愛され続ける本シリーズが、2020年6月12日から3週連続で「金曜ロードSHOW!」にて地上波放送となる。

本記事では、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』への理解を深めるため、あらすじや制作秘話、劇中に散りばめられたトリビアなどを徹底解説。作品の鑑賞と合わせてお楽しみ頂きたい。

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』3部作

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985)

あらすじ

1985年、カリフォルニア州にある小さな町ヒル・バレー。気の弱い父親ジョージとキッチンドリンカーの母親ロレインを両親に持つマーティ・マクフライは、ガールフレンドのジェニファーとスケボー、ロックが大好きなごく普通の高校生だ。ある日、マーティは親友の科学者エメット・ブラウン博士(通称:ドク)が乗用車“デロリアン”を改造して発明したタイムマシンによるタイムトラベル実験を手伝うことに。ドクとマーティは深夜のショッピング・モールの駐車場に集合し、人類初の偉業を成し遂げようと実験に取り掛かる。しかし、タイムトラベルに必要な燃料プルトニウムをドクに騙し取られたことに激怒したリビア人が2人を急襲。銃で撃たれてしまったドクを気にかけながらも、慌ててデロリアンに乗り込んだマーティは30年前の1955年にタイムスリップしてしまう…。

燃料切れで1985年に戻ることが出来なくなってしまったマーティは、助けを求めて知り合う前のドクの家に向かうが、その途中でロレインの父親が運転する車にはねられそうになったジョージを助け、頭部を打って気絶してしまう。本来はジョージが轢かれることになっており、これをきっかけにロレインがジョージに一目惚れするはずだった。運命が入れ替わったマーティは若き日の母に惚れられるという気まずい状況になってしまったばかりではなく、両親が結ばれるきっかけを失い、自分の存在が消えてしまう危機に直面。ジョージをいじめる性悪のビフが立ちはだかる中、マーティは1985年に戻るために奔走していく。

解説

“タイム・トラベル”というテーマを主題に置いた『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は、1985年7月の封切りから瞬く間に米国全土で人気を獲得。エディ・マーフィ主演『ビバリーヒルズ・コップ』やシルベスター・スタローン主演『ランボー/怒りの脱出』などを抑えて同年の米国内興行収入でトップの座に輝き、「フューチャー現象」と呼ばれる社会ブームを巻き起こした。

監督・共同脚本を務めたのは、後に『フォレスト・ガンプ/一期一会』(1994)『コンタクト』(1997)など、名作を連発させることになる巨匠ロバート・ゼメキス。製作総指揮にゼメキスの師匠スティーブン・スピルバーグや『インディ・ジョーンズ』シリーズのフランク・マーシャルらが名を連ねている。音楽を手がけたのは、『ロジャー・ラビット』(1988)や『ボディガード』(1992)などで知られる巨匠アラン・シルヴェストリ。近年では『アベンジャーズ』(2012)や『レディ・プレイヤー1』(2018)などの大ヒット作を手がけている。

主人公マーティ・マクフライ役を「ファミリータイズ」(1982-1989)『ティーン・ウルフ』(1985)などで注目を集めていたマイケル・J・フォックスが、ドク役を『ロジャー・ラビット』のクリストファー・ロイドが演じている。

元々、帰郷していた時にアイデアを考案した脚本家・プロデューサーのボブ・ゲイルがそれまでに2度映画でタッグを組んでいたゼメキスに相談したことがきっかけで誕生した『バック・トゥ・ザ・フューチャー』。とりわけ観客の目を惹くものといえば、翼のようなガルウィングドアが特徴のタイムマシン、デロリアンだろう。ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)開園時から2016年まで人気アトラクション(バック・トゥ・ザ・フューチャー・ザ・ライド)として親しまれるなど、日本でもその姿はお馴染み。ちなみに、アトラクション前に展示されていたレプリカのデロリアンは、ヤフオク!にて約460万円で落札され、マイケルが設立したパーキンソン病の研究助成財団に全額寄付されている。

本作では、タイム・トラベルによる時代間のギャップを通じて、1950〜1980年代のアメリカン・カルチャーが色濃く映し出されている。例えば、ロックンロールを愛するマーティは、タイムスリップした1955年に、世に出される前のチャック・ベリーの代表曲「Johnny B. Goode」(1958)を披露。ロックンロールがまだ普及していなかった1955年のヒル・バレーに、ロックが鳴り響くのだ。

Writer

SAWADA
SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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