『バック・トゥ・ザ・フューチャー』マイケル・J・フォックス、ミュージカル版のマーティ版に「ぶちかませ」と上演直前アドバイス

タイムトラベルSF映画の金字塔として不動の人気を誇る『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズ。そのミュージカル版「Back To The Future: The Musical」にて主人公マーティを演じたケイシー・ライツは映画版マーティを演じたマイケル・J・フォックスの言葉に勇気づけられたと、米Varietyにて明かしている。
「Back To The Future: The Musical」は2020年2月に英ウエスト・エンドで上映がスタート。コロナ禍により一時中断を余儀なくされたものの2021年9月に上映が再開。ミュージカルならではの歌とダンスで観客を魅了し、2023年8月にはニューヨーク・ブロードウェイ版の上映が開始した。本上映に先駆けたプレビュー公演にはフォックスや、ドクを演じたクリストファー・ロイド、マーティの母ロレイン役を演じたリー・トンプソンら、そしてプロデューサーを務めたスティーヴン・スピルバーグも駆けつけている。
「毎晩良い演技をするだけでなく、全ての動きを、流す涙を、奏でる音を計算しなくてはいけなかった」と、並々ならぬ意気込みで臨んだことをライツは語る。幕が上がる直前にフォックスと話す機会があり、アドバイスを求めたところ、大先輩フォックスはこう返したそうだ。
「ぶちかませ。心を捧げたら、何だってやってのけられるぞ。」

フォックスからの激励を受けたライツは「多くの人たちが長時間声援を送ってくれました。起きたことを必死で処理をしている感じだったので、自分がなんてセリフを言ったのかほとんど覚えていないんです」と初日の熱狂を振り返っている。
弱冠21歳にして大舞台を踏んだライツだが、その直近にはキャメロン・クロウ監督『あの頃ペニー・レインと』(2000)のミュージカル版「Almost Famous: The Musical(原題)」で10代のロックジャーナリスト、ウィリアム・ミラー役を演じていた。サンディエゴの上映から2022年にはブロードウェイにて再演を果たしたものの、ニューヨークの批評家たちの声は厳しく、集客にも苦心した。「僕にとってはいい勉強でした。これはビジネスで、仕事なんだって」と受け止めるも、終演を余儀なくされたことは健康状態にも影響を及ぼし、「Back To The Future: The Musical」のプロデューサーからミュージカル版のオファーを受けたときは少し躊躇していたそうだ。
しかし大役を手にしたライツは、トレーナーによる食事やセラピーの管理のもと、2時間40分に及ぶ舞台をこなすための稽古に励んだ。苦い経験を経てからの、「Back To The Future: The Musical」主演は大きなプレッシャーもあったはず。そんなライツに「ぶちかませ」のメッセージはアツく、そしてとても”ヘヴィー”だったに違いない。
Source:Variety