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チャドウィック・ボーズマン、『ブラックパンサー』続編出演する意向だった ─ マーベル側は闘病を認識せず

ブラックパンサー
Black Panther (2018) Directed by Ryan Coogler ©Walt Disney Studios Motion Pictures 写真:ゼータイメージ

『ブラックパンサー』(2018)を手がけたマーベル・スタジオは、2020年8月28日に死去したチャドウィック・ボーズマンが大腸がんを患っていたことをまったく認識していなかったことがわかった。米The Hollywood Reporterによると、チャドウィックは続編映画『ブラックパンサー2(仮題)』の撮影に参加する計画を立てていたという。

報道によると、マーベル・スタジオ/ディズニーや『ブラックパンサー』の関係者は、チャドウィックが4年間の闘病生活を送っていたことを一切知らされていなかった。ケヴィン・ファイギ社長が緊急のメールを受け取ったのは、チャドウィックが息を引き取る直前だったとのこと。過去数ヶ月、チャドウィックは体重を大幅に減らしていたものの、本人は逝去の1週間前の時点で、病に打ち勝ち『ブラックパンサー2』の撮影に参加するつもりでいたという。同作は2021年3月から撮影予定で、2020年9月にも準備が始められる予定だった。

チャドウィックが大腸がんを患っていることを認識していたのは、チャドウィックのプロデュース・パートナーであり、『キングのメッセージ』(2016)や『21 Bridges(原題)』(2019)を手がけたローガン・コールズ、エージェントのマイケル・グリーン、トレーナーのアディソン・ヘンダーソン、そして『42 〜世界を変えた男〜』(2013)の監督であるブライアン・ヘルゲランド。ただし、病状についての認識はそれぞれ異なった。自身の病を身近な人々にもほとんど伝えていなかったチャドウィックだが、その背景には、映画製作と保険の問題、スタジオが抱えるリスクの問題があるといわれている。

マーベル・シネマティック・ユニバースでも指折りのヒット作となった『ブラックパンサー』だが、主演俳優がこの世を去った今、マーベル/ディズニーはひとつの岐路に立たされている。チャドウィックに敬意を払いながら新たな俳優を起用するか、既存のキャラクターが2代目ブラックパンサーとして登場するか、それとも続編や今後の登場計画をすべて断念するか。代役を立てる場合、チャドウィックと後任者が比較されたり、少なからぬ批判を受けたりすることは免れないだろう。別のキャラクターがブラックパンサーになる場合、コミックでもブラックパンサーとなっている妹のシュリなどが候補になるとみられるが、いずれにせよ全面的な見直しが必要となる。どの道を選ぶにせよ、チャドウィックの不在はあまりにも大きすぎるのだ。

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Source: The Hollywood Reporter

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。