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【製作秘話】『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』あわやゾンビ映画になるところだった

2016年9月16日、映画『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』のDVD・Blu-rayがついに発売された。もう多くの方がご自宅でご覧になっていることと思うが、実はこの『シビル・ウォー』、もしかするとゾンビ映画になるかもしれなかったという。

米エンターテイメント・ウィークリー誌の取材で、アンソニー&ジョー・ルッソ監督が製作の経緯を語っていた。

製作の超初期段階、まさかの代案

『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』は、『キャプテン・アメリカ』シリーズの第3作でありながら、キャプテン・アメリカというヒーローひとりでは成立しなかった。キャップと対立するトニー・スターク/アイアンマンの存在が不可欠だったのである。ストーリーそのものは、マーク・ミラー原作によるコミック『シビル・ウォー』を下敷きにしている。

『シビル・ウォー』をゾンビ映画として製作するという企画は、まだ作品の内容が決まっていなかった頃、映画のタイトルが『シビル・ウォー』ではなく『キャプテン・アメリカ3』だった時期に構想されていたものだ。当時を振り返り、ジョー監督はこう語っている。

「『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』の続編について話していたとき、すぐに『シビル・ウォー』を作ろうとはしませんでした。かつてないキャップの物語を探していた時期があったんです。それでも『シビル・ウォー』は早い段階で決まったから、数週間くらいの出来事ですね。それからは(『シビル・ウォー』で)頭がいっぱいで。」

しかしその当時、『シビル・ウォー』が製作できない可能性も残されていた。アイアンマン役のロバート・ダウニー・Jr.がマーベルとの契約を一度終えており、契約を続行するかどうかの交渉中だったのである。ルッソ兄弟は、もしもダウニー・Jr.が契約を続行しなかった場合のストーリーを考えなければならなかった。アンソニー監督によると、ゾンビ映画の案が出たのはその時だったという。

「『キャプテン・アメリカ』の原作から、マッドボムのストーリーをやろうと話しました。誰かがアイデアを出してくれたんです。(マッド・ボムは)人を狂わせる。文字通りではないですけど、ゾンビのようになってしまうんです。」

キャプテン・アメリカ、民衆と戦う

アンソニー監督のいう「神話」とは、1976年にジャック・カービーが原作を担当したコミック『キャプテン・アメリカ』#193-#200のこと。マッドボムとは音波で精神を蝕むことで人間から思考を奪い、暴力的なゾンビのようにしてしまう兵器だ。カービーのコミックでは、アメリカを独裁政治に作り変えようと企む組織によって使われる。

ルッソ兄弟によると、もし『キャプテン・アメリカ』第3作がマッドボムに関するストーリーになった場合、『シビル・ウォー』にも登場したジモがマッドボムを仕掛ける人物として登場する予定だったという。ゾンビ状態となって襲いかかってくる民衆を救うため、キャップがマッドボムの破壊を目指すという筋立てだったようだ。

ルッソ兄弟は、マッドボムを用いて描かれるかもしれなかった物語の一端を明かしている。

「マッドボムを使えば、キャップが民衆と戦わなければならないうえ、その状況に彼がどう対応するのかを描ける。僕たちは、つねにキャップを興味深く、かつ難しい道徳的問題に向き合わせたいんです。彼の性格ゆえに。もしも市民たちが敵になったら、彼はどうやって敵を殺さずに止めるのか。すごく魅力的な第3作になったと思います。[中略]もしも、自分の知る人がゾンビになって、戦わなければならないとしたら。」

その後、ダウニー・Jr.がマーベルとの契約を続行したことで『シビル・ウォー』は無事に製作された。しかし『キャプテン・アメリカ』第3作がもしもゾンビ映画として製作されていたら、どんな作品になっていたのだろうか。ルッソ兄弟の発言を聞く限り、テーマだけは『シビル・ウォー』にも一部引き継がれているような気もするが……。

映画『キャプテン・アメリカ』シリーズは『シビル・ウォー』で完結したとも、第4作がいずれ製作されるともいわれている。スティーブ・ロジャース/キャプテン・アメリカは、これからどんな道徳的問題に挑むのだろうか? 再びの登場を楽しみにしたいところだ。

source: http://www.ew.com/article/2016/08/25/captain-america-civil-war-was-almost-zombie-movie
http://www.cosmicbooknews.com/content/captain-america-3-original-story

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

THE RIVER編集部。「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条として、海外の映画・ドラマを中心に執筆しています。日本国内の映画やアニメーションも大好きです。国内舞台作品の執筆・創作にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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