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アカデミー賞候補ドキュメンタリー『コレクティブ 国家の嘘』日本公開決定 ─ ルーマニアを揺るがす医療汚職事件の闇、セバスチャン・スタン絶賛作

コレクティブ 国家の嘘
©Alexander Nanau Production, HBO Europe, Samsa Film 2019

本年度アカデミー賞で国際長編映画賞・長編ドキュメンタリー賞の2部門にノミネートされたルーマニア映画『Colectiv(原題)』が、邦題『コレクティブ 国家の嘘』として、2021年10月2日(土)に全国公開されることが決定した。あわせて予告編映像&場面写真が到着している。

2015年10月30日、ルーマニア・ブカレストのクラブ「コレクティブ」でライブ中に火災が発生。27名の死者と180名の負傷者を出す大惨事となったのち、一命を取り留めたはずの入院患者が複数の病院で次々に死亡。最終的には死者数が64名まで膨れ上がった。事件を不審に思い、調査を始めたスポーツ紙「ガゼタ・スポルトゥリロル」の編集長は、内部告発者の情報提供により衝撃の事実に行き着く。事件の背景には、莫大な利益を手にする製薬会社、彼らと黒いつながりを持った病院経営者、そして政府関係者の巨大な癒着があった。

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国家とは、市民とは、報道とは? 本作は、命よりも利益や効率を優先した末に起こった国家を揺るがす巨大医療汚職事件の闇、そして事件に対峙する市民やジャーナリストたちに迫った、フィクション以上にスリリングな現実を捉えたドキュメンタリー映画だ。監督は、世界各国の映画祭で数多の賞を受賞した『トトとふたりの姉』(2014)のアレクサンダー・ナナウ。地道な調査報道を続けるジャーナリストを追う前半、熱い使命を胸に就任した新大臣を追う後半と、複数の視点から事件に臨む人々を見つめている。

公開された予告編は、ライブ中に演出の花火が施設に引火、一瞬にして壁を覆いつくすショッキングな場面から幕を開ける。被害者の親たちが投げかける悲痛な叫びや疑問、地道な取材を続けるジャーナリストたちと、国の腐敗に対峙する厚生大臣が抱える葛藤……。「我々は権力を妄信している」「メディアが権力に屈したら、権力は我々を虐げる」「医療は一部の人ではなく全国民のものだ」。映画のカギを握る言葉の数々は、現代社会を生きる人々にも痛烈に刺さるはずだ。

コレクティブ 国家の嘘
©Alexander Nanau Production, HBO Europe, Samsa Film 2019

日本をはじめ、今まさに世界中の国々が直面している医療と政治、ジャーナリズムの問題に真っ向から挑んだ本作は、ドキュメンタリー作品ながら本年度アカデミー賞のルーマニア代表に選出され、国際長編映画賞・長編ドキュメンタリー賞にノミネートされた。世界の映画祭で28の賞を獲得、51ものノミネートを果たしたほか、米タイム誌が選ぶ2020年ベスト映画の第2位に、ローリングストーン誌では第1位に選ばれている。

「惨劇、隠蔽、暴露。今年最高のドキュメンタリー」「ジャーナリズムを描いた映画史上、最も偉大な作品」「これほど現代社会を象徴する映画はない」。数々の絶賛を浴びている本作は、米Rotten Tomatoesにて99%フレッシュ(6月28日時点)を記録。なお、『アベンジャーズ』シリーズのウィンター・ソルジャー役で知られるルーマニア出身の俳優、セバスチャン・スタンはSNSにて早くから本作を称え、米国内でのプロモーションも支援した。米IndieWireでは「この重要な映画が認識されることを幸せに思います」ともコメントしている。

映画『コレクティブ 国家の嘘』は2021年10月2日(土)、シアター・イメージフォーラム、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー

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THE RIVER編集部THE RIVER

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