「劣っているのではない。異なっているだけだ」自閉症を扱い、殺し屋映画の新たな地平を開いた映画『ザ・コンサルタント』レビュー

そんなオコナー監督のフィルモグラフィーの中で筆者が個人的におすすめしたい作品を一本挙げるならば、みんな大好きトム・ハーディー主演の格闘映画『ウォーリアー』(2011)ですね。「ああ、あの映画の監督か」と急に合点がいった読者の方も少なくないと思いますが、父親、兄弟の絆を軸とした重厚なドラマとリアルな総合格闘技アクションが融合した、記憶に残る快作でした。また、『ザ・コンサルタント』の脚本ビル・ドゥビュークはキャリアこそまだ浅いですが、前回脚本を担当したロバート・ダウニーJr主演の法廷ドラマ『ジャッジ 裁かれる判事』で鮮烈な印象を残しています。『ザ・コンサルタント』を鑑賞すると、この『ウォーリアー』と『ジャッジ 裁かれる判事』二本の映画それぞれに、今作と繋がるエッセンスを確かに感じることができます。
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