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【ネタバレ注意】傑作ヒーロー映画『アンブレイカブル2』制作企画が進行中!シャマラン・ユニバースも形成

スーパーパワーや優れた技能の持ち主が人々のために活動し、時にはヴィランと戦うアメコミヒーロー映画が全盛期と思われる昨今。広大なユニバースを持つコミックスを元にした映画だけでなく、アメコミヒーローの文法を用いたり作品の題材にした名作映画もあります。その中でもドラマの完成度のみならヒーロー映画ナンバーワンと筆者が推薦するのがM・シャマラン監督作の『アンブレイカブル』です。

『アンブレイカブル』は、厳粛で静謐なトーンによって進む作品ですので、激しいアクションが皆無という欠点はありますがスーパーヒーローを構成する要素を理解したいならばクリストファー・リーヴの『スーパーマン』と並んでの必須作と太鼓判を押します。アクション性を排除した際のスーパーヒーローの人間性と運命の魅力をこれほど深く、神秘さすら以て描写したのはヒーロー映画の中でも白眉の作品です。

ブルース・ウィリスが演じる主人公は妻子持ちの中年警備員デイヴィッド・ダン。彼は大規模な列車事故の中、ただ一人無傷で生還し、それをキッカケに自らに眠る重大な秘密と向き合い、スーパーヒーローとなるといった粗筋です。

M・ナイト・シャマラン映画の特徴といえば『シックス・センス』に代表されるように最後のどんでん返し。ですがこの『アンブレイカブル』の最も鮮烈な長所としてアメコミ・ヒーロー・コミックを知らない者にとってはラストは衝撃的に映り、またコミックをある程度読んでいるファンにとっては自明の理として受け取れるというものがありました。これはM・ナイト・シャマランがアメコミヒーローのオリジンとスーパーヒーローの物語を構成する要素を一つ一つ丹念に分解し、作り上げたからに他なりません。

『アンブレイカブル』作中にて現代社会に降臨したスーパーヒーローが家族、己の力の自覚、使い道の模索をして小さな犯罪との戦いというデビューをする一連の流れ。そしてスーパーヒーローの対面存在、鏡面存在、同じ地平線の両極端にある者との邂逅。すべての要素がスーパーヒーローのシークレットオリジン、またはイヤーワンとして必然的に組み込まれているのがわかります。まさにヒーローのシークレットオリジンとしてお手本とも言うべき作品。アメコミファンからも高い評価を受けたのが『アンブレイカブル』でした。

シャマランはジェームズ・マカヴォイ主演の新作映画『スプリット』のインタビューにて「『アンブレイカブル』の最終作は次回作に打ち出すつもりだ」とUPROXXに明言。加えて「ジェームズ・マカヴォイはもちろんのこと、ブルース・ウィリス、サミュエル・ジャクソンやスタッフ達とは今でも繋がりがある。次回作はすぐに現実となるだろう」と話しています。サミュエル・ジャクソンの名前も出したということは非常に魅力的なキャラクターとして観衆の胸を打ったMr.ガラスが再登場し。アンブレイカブルとの交流をまた観ることができるということなのでしょう。

【注意】

ここから先には、2017年5月12日に日本公開予定の映画スプリット』に関するプチネタバレ内容が含まれています。

そんなM・ナイト・シャマラン流のスーパーヒーローのシークレットオリジンである『アンブレイカブル』。日本では2017年の5月に公開予定の『スプリット』にてジェームズ・マカヴォイが演じる多重人格者のケヴィン、その名もヴィランネーム”The Horde”を知ったアンブレイカブルことデイヴィッドが己のアークヴィランであるMr.ガラスを思い出す映像が流れ、『スプリット』と『アンブレイカブル』が同じアースにおける物語であることが判明し、『スプリット』もまたヴィランに纏わる物語とわかりました。

『アンブレイカブル』に端を発するシャマランヒーロー・アース。1作目はヒーローのあまりにも見事なシークレットオリジンを描きましたが最終作ではどのような発展の仕方をするのか楽しみで待ちきれません。ファンとしてはもうちょっとアクションが欲しいところですが作風を崩さない程度にしてもらいたいという贅沢な要望があります。

参考url:http://uproxx.com/movies/unbreakable-sequel-m-night-shyamalan/

Image:© 2000 Walt Disney Pictures

Writer

小村健人村上 幸

DCコミックスと非ヒーローコミックスをメインに読んでいます。ユーロコミックスを原語で読むのが現状の目標です。好きなヒーローチーム:ジャスティス・リーグ・インターナショナル好きなヒーロー:たくさんのDCヒーロー(特にキース・ギッフェンがライターを担当した時のヒーローかヴィラン) salarmko@outlook.jpお仕事の依頼はこちらへ。

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