ダニエル・クレイグ、『クィア』生々しいセックスシーンの緊張をダンスでほぐす ─ 「キャリアを決定づける」絶賛の新境地に

『007』『ナイブズ・アウト』シリーズのダニエル・クレイグの新たな境地が、新作『クィア(原題:Queer)』にて切り拓かれたようだ。ベネチア国際映画祭の記者会見にて明かした、撮影準備や共演者へのコメントを米The Hollywood Reporterなどが報じている。
『クィア』は『裸のランチ』などで知られる作家ウィリアム・S・バロウズの同名小説(邦題『おかま』)を映画化するもの。主人公のリー(クレイグ)は、メキシコシティで、アメリカを追われた大学生やバーのオーナーたちと過ごしながら自分の人生を語る。内気で不安定なリーは、やがてアラートン(ドリュー・スターキー)という若い男を愛するようになり……。
A24が北米配給権を獲得した本作のメガホンを取ったのは、『君の名前で僕を呼んで』(2017)『ボーンズ アンド オール』(2023)のルカ・グァダニーノ。クレイグとグァダニーノとの初タッグ作には、重要な役割を果たす振り付けがいくつかあるそう。撮影に入る前に、スターキーとリハーサルに入ったクレイグは「人と踊ることが緊張を解きほぐしてくれました」と振り返っている。後に、生々しいセックスシーンを演じる上でも効果的だったようだ。
「現場でセックスシーンを撮影するにあたって、親密な雰囲気はまったくもありません。部屋ではたくさんの人がこちらを見ているんです。だから私たちはできる限り、心を動かす、リアルで、自然なものにしたかったんです。ドリューは素晴らしい、とてつもない、そして美しい俳優でした。私たちはその場で大笑いして、楽しむようにしました。」
ベネチア国際映画祭にて、『クィア』は9分間に及ぶスタンディング・オベーションが起こる評価を獲得。最高賞である金獅子賞の有力候補と目されているほか、今後の賞レースにも大きく関わるのではないかとみられている。ベネチア国際映画祭でディレクターを務めるアルベルト・バルベーラも、「クレイグのキャリアを決定づけるもの」と絶賛するほか、クレイグ本人も「自分が見たかった、作りたかった、そこにいたいと思った作品」だと感慨を口にしている。
グァダニーノはこれまでにも、映像、音楽、美術、衣装などあらゆる面に卓越した美意識を持ち、新作ごとに世界中を魅了してきた。『007』のジェームズ・ボンド役、『ナイブズ・アウト』でのブノワ・ブラン役など、演じるキャラクターのファンも多いクレイグが新たに見せる表情に期待したい。
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Source:The Hollywood Reporter, Variety, The New York Times