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『クリード2』ロッキーの宿敵イワン・ドラゴ、新たな人物像で再登場 ― 「大きな傷を負った」父親としての姿

クリード2
©2015 METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC. AND WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

シルベスター・スタローン主演映画『ロッキー』シリーズの最新作として登場し、絶賛をもって受け入れられた『クリード チャンプを継ぐ男』(2015)。続編映画『クリード2』の公開を2019年1月11日に控えた今、本作で復活するシリーズのキーパーソンが作品のポイントを明かした。

『クリード2』で再登場するのは、主人公アドニス・クリード(マイケル・B・ジョーダン)の父親であるアポロの命を奪った、『ロッキー4/炎の友情』(1985)のイワン・ドラゴドルフ・ラングレンが演じたこの人物の息子であるヴィクトルが、今回はアドニスの前に立ちはだかるのだ。

34年という時を経て父親となったイワン・ドラゴは、どのような人物としてロッキーやクリードの前に、また観客の前に現れるのか。英Empireにて、ラングレンが新たなイワン像の特徴に言及している。

刷新されるイワン・ドラゴ、そして父親と子の物語

「1985年(『ロッキー4/炎の友情』)以降、僕が演じる役柄はずっと生き地獄を生きてきた。すべてを失ったんです」
旧ソ連という国を背負って戦ったイワンが、ロッキーに敗れた後どんな人生を歩んできたのかはわからない。しかしラングレンによれば、その道は決して平坦ではなかったようだ。

「今回の脚本では、イワンは大きな傷を負った人物として再び登場します。厳しい人生において、精神的、また肉体的に彼は苦しんだんです。そのことに僕が自分を重ね合わせるのは簡単でした。肉体の面でも、精神の面でもね。」

同時にラングレンは、いまやイワン・ドラゴという人物は「象徴的なキャラクター」になっていると述べている。「彼の言葉を引き合いに出す人、Tシャツを持っている人がたくさんいるんです」と語るラングレンは、そのイメージを守ることに重きを置いていたという。『クリード2』で登場する息子ヴィクトルは、その人物造形に新たな光を当てる大切な要素となっているようだ。

「今までは(既存のイメージを壊すことが)成功するとは思いませんでした。イメージを台無しにしたくなくて。でも十分に年を取った今、僕は親として仕事をしていますし、“父と息子”というコンセプトはすごくいいと思ったんです。だって僕も、父とは暴力的な関係性にありましたから。多くの男性がそうするように、結局はコンタクトスポーツ(編注:相手との接触によって身体的負荷のかかるボクシングなどのスポーツ)に落ち着くんですよ。」

言わずもがな、本作ではロッキー&クリードという疑似親子のほか、アポロ&アドニス、イワン&ヴィクトルという3組の“父と息子”が大きく扱われる。個々人の内面で起こるドラマ、それぞれの関係性と因縁を味わってほしい。主演のマイケル・B・ジョーダンも、物語のテーマについてはこのように予告しているのだ。

「ヴィクトルのストーリーは非常に重層的なんです。二人の男(アドニス、ヴィクトル)はいろんな面で似ていて…もちろんアドニスはヴィクトルとイワンに敵意を抱くんですが、そこには別のテーマがあります。成長や成熟、家族や受け継がれていくものの大切さがクリードを特別にしていくんですよ。ただの復讐劇ではありません。」

映画『クリード2』は2019年1月11日(金)より全国ロードショー

『クリード2』公式サイト:http://www.creedmovie.jp

Source: Empire

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。