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デヴィッド・クローネンバーグ監督新作が撮影終了 ─『クライム・オブ・ザ・フューチャー』題名に込められた想いとは

デヴィッド・クローネンバーグ&ウィゴ・モーテンセン&レア・セドゥ&クリステン・スチュワート
Photo by Alan Langford https://commons.wikimedia.org/wiki/File:David_Cronenberg_2012-03-08.jpg | nicolas genin https://commons.wikimedia.org/wiki/File:L%C3%A9a_Seydoux_66%C3%A8me_Festival_de_Venise_(Mostra).jpg | Joost Pauwels https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Viggo_Mortensen_B_(2020).jpg | Gage Skidmore https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/6998777719 | Remixed by THE RIVER

『ザ・フライ』(1986)『クラッシュ』(1996)などのデヴィッド・クローネンバーグ監督による待望の新作映画『Crimes of the Future(原題)』の撮影が終了したことがわかった。『ヒストリー・オブ・バイオレンス』(2005)などのヴィゴ・モーテンセンをはじめ、クリステン・スチュワートレア・セドゥほか豪華俳優陣が集結した注目作だ。

『Crimes of the Future』は、人類が人工的な環境に適応することを学んでいる近未来を舞台にした作品。既報によると撮影は、2021年8月2日から9月10日まで行われると伝えられていた。この度、NOW Magazineのインタビューにてクローネンバーグ監督は、「『Crimes of the Future』の撮影は終わりました」と報告している。

「今は編集室に入って、編集担当と一緒に作業を進めているところです。久しぶりに編集作業をしているのですが、編集の楽しさを忘れかけていました。5月までには映画を完成させる予定です。多くの視覚効果を開発しなければなりませんし、サウンドや音楽など、様々なことをやる必要があります。」

5月までの完成を目処に編集作業を進めているとのことだが、クローネンバーグ監督によると、それはカンヌ国際映画祭(2022年5月17日〜28日開催)への出品を視野に入れているからだという。「どこかでプレミア上映ができるようにしたいと考えています。もしかしたらカンヌ国際映画祭で」。

クローネンバーグ監督にとって本作は、『マップ・トゥ・ザ・スターズ』(2014)以来の監督作であり、『イグジステンズ』(1999)ぶりのオリジナル脚本。本作について、「未来にやり残したことがある」と表現していた鬼才監督による新作映画のあらすじは以下の通り。

「人類が人工的な環境に適応することを学んでいる近未来を舞台にした作品。この進化は人間を自然な状態から変容させて、生物学的構造を変化させるというもの。トランスヒューマニズム(編注:超人間主義=新しい科学技術を用いて、生物学的限界を超越しようとする思想)の可能性を受け入れる者もいれば、それを取り締まろうとする者もいる。いずれにしても、『加速進化症候群(Accelerated Evolution Syndrome)』は急速に広まっている状況だ。

パフォーマンス・アーティストであるソウル・テンサーは、加速進化症候群を受け入れ、自分の体に本来は存在し得ない臓器・器官を作り出すことに成功。パートナーのカプリスと共に、その奇妙な臓器・器官を取り除くパフォーマンスをやりとげ、サブカルチャーや政府からの注目を浴びる。しかし、その注目が高まるにつれて、テンサーはさらに過激で観客を驚愕させるようなパフォーマンスをしなければならなくなる。」

本作は、クローネンバーグ監督の初期作品であるクライム・オブ・ザ・フューチャー/未来犯罪の確立』(1970)と同じ題名だが、監督いわくこれはリメイクでも続編でもないという。ちなみに『クライム・オブ・ザ・フューチャー/未来犯罪の確立』は、近未来の世界を舞台に、女性たちの間で流行した奇妙な病気を描いた実験映画だ。

「このタイトルはお気に入りだったので、また使うことにしました。そもそもこのタイトルは、クヌート・ハムスンというノルウェーの作家による『飢え』という小説に由来しているのですが、これは映画化されていて、ペル・オスカーソンが1890年代の詩人役を演じています。彼が橋の上で詩を書いている場面があるのですが、それを観て衝撃を受けたのです。“その詩を読んでみたい”と思いました。後に私が映画監督になったときは、“この映画を作りたい”と思ったのです。つまり、クヌート・ハムスンからタイトルを盗んで、今度は自分自身の作品から盗むことになりました。

私が昔に作った映画の続編ではなく、リメイクでも全くありません。しかし、未来の犯罪という共通点はあります。それは今は存在し得ないが、未来には存在する犯罪ということです。興味をそそられる題材です。だから、この二作品には関連性があるとも言えるでしょう。例えば今では、インターネット上での嫌がらせや、メールを盗むなど、インターネットを利用した様々な犯罪が存在します。これらの犯罪は、30年前にはありませんでした。そもそもインターネットがなかったので。新しい犯罪には新しい法律がある。これには興味をそそられるのです。」

キャストにはほか、『アンダーワールド』シリーズのスコット・スピードマンらが名を連ねている。米国配給を担当するのは、『パラサイト 半地下の家族』(2019)『燃ゆる女の肖像』(2019)などのNEONだ。

ちなみに息子で映画監督のブランドン・クローネンバーグは、アレクサンダー・スカルスガルド主演の新作映画をNEONで同じく準備中だ。こちらの撮影は、2021年9月6日から開始されると伝えられていた。もしかしたら2022年は、クローネンバーグ親子による映画がふたつも日の目を浴びることになるかもしれない。

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Source: NOW Magazine

Writer

Minami
Minami

THE RIVER編集部。「思わず誰かに話して足を運びたくなるような」「映像を見ているかのように読者が想像できるような」を基準に記事を執筆しています。映画のことばかり考えている“映画人間”です。どうぞ、宜しくお願い致します。

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