ゲイリー・オールドマン、アーミー・ハマーらが史上最悪の麻薬問題を演じる『クライシス』米公開決定 ─ エヴァンジェリン・リリー、ミシェル・ロドリゲスも

「アメリカ史上最悪」とも言われる麻薬問題、鎮痛薬オピオイドの蔓延をゲイリー・オールドマンやアーミー・ハマーら豪華キャストのアンサンブルで描く映画『Crisis(原題)』が、2021年2月26日に米国公開されることが決定した。米Deadlineによると、国内の配給権を米Quiver Distributionが獲得。劇場公開に続き、3月5日にはデジタル配信がスタートする。
オピオイドは鎮痛剤として病院で処方されるが、強い依存性を持ち、効果が失われるたびに処方量が増え、使用を中断すると不眠などの離脱症状が生じる。依存症患者はアメリカ国内で近年劇的に増加し、過剰摂取による死者の増加も問題視され、「オピオイド危機」として国家の公衆衛生の問題として受け止められている。
本作はいくつものストーリーが同時並行して展開する群像劇。合成オピオイド「フェンタニル」を密輸する運び屋、依存症から回復しながら消えた息子の真実を追う女性建築家、雇い主に隠された事実と対峙する大学教授、“非依存性”の鎮痛薬を販売しようとする製薬会社……。コカインや麻薬戦争を題材とした、スティーヴン・ソダーバーグ監督作『トラフィック』(2000)の“オピオイド危機版”ともいうべき内容になるという。
出演者は名優ゲイリー・オールドマン、『君の名前で僕を呼んで』(2017)のアーミー・ハマーをはじめ、『アントマン』シリーズのエヴァンジェリン・リリー、『ブリグズビー・ベア』(2017)グレッグ・キニア、『ワイルド・スピード』シリーズのミシェル・ロドリゲス、『美女と野獣』(2017)ルーク・エヴァンス、『プラネタリウム』(2016)リリー=ローズ・デップ、ラッパーのキッド・カディ、『TENET テネット』(2020)のマーティン・ドノヴァンら。
脚本・監督は『キング・オブ・マンハッタン 危険な賭け』(2012)の俊英ニコラス・ジャレッキで、2019年に撮影し、コロナ禍で作品を完成させた。米国公開の決定にあたり、ジャレッキは「社会のありとあらゆる場所にオピオイド危機の恐るべき影響があり、企業や運び屋、そして政府がずっと認識していた新たな事実が毎日のように明らかになっています。素晴らしい出演者による細やかな演技が、注目されるべき緊急事態を身近なものにしてくださったことに感謝します」とコメントした。
映画『Crisis(原題)』は2021年2月26日に米国公開、その後3月5日には米国内でのデジタル配信がスタート。映画賞シーズンでの健闘も期待される一作だけに、日本国内への展開にも期待したい。
Source: Deadline