「オピオイド危機」題材の新作スリラー、米予告 ─ ゲイリー・オールドマン&ミシェル・ロドリゲスら豪華キャスト集結

ゲイリー・オールドマン&ミシェル・ロドリゲスら豪華キャスト共演、「アメリカ史上最悪」とも言われる麻薬問題、鎮痛薬オピオイドの蔓延を描く映画『クライシス(原題:Crisis)』の米国版予告編が到着した。
オピオイドは鎮痛剤として病院で処方されるが、強い依存性を持つ。効果が失われるたびに処方量が増え、使用を中断すると不眠などの離脱症状が出現するという。近年、依存症患者はアメリカ国内で急増し、過剰摂取による死者の増加も問題視されるなど、「オピオイド危機」として国家の公衆衛生の問題として受け止められている。
本作はいくつものストーリーが同時並行して展開する群像劇。合成オピオイド「フェンタニル」を密輸する運び屋、依存症から回復しながら消えた息子の真実を追う女性建築家、雇い主に隠された事実と対峙する大学教授、“非依存性”の鎮痛薬を販売しようとする製薬会社……。コカインや麻薬戦争を題材とした、スティーヴン・ソダーバーグ監督作『トラフィック』(2000)の“オピオイド危機版”ともいうべき内容になるという。
予告編の冒頭、ソリを引いた1人の若者が雪山を歩いていると、上空と地上の両方から警察が出現。なす術なく降参した若者のバッグからは、密輸用とされる大量のオピオイドが発見されるのだった。「少年が国境で引っ掛かった」「運び屋か?」。1年以上にも及ぶ潜入捜査の末、捜査官のジェイク(アーミー・ハマー)は遂に、カナダ─アメリカ間の密輸ルートのヒントを入手する。
一方、製薬会社では、新たなオピオイドの開発が進められていた。「我々の商品は、依存性の無い初の鎮痛剤となるのです」。依存から脱しつつある女性クレア(エヴァンジェリン・リリー)は、目の前からいなくなった息子を探すべく、独自に行動。「息子に薬を運ばせてたの?」と家宅に侵入し、ひざまずく男に銃口を向ける。
「これはタバコに次いで史上最悪の公衆衛生の危機なんだ」「これは我々の責任ではない」「じゃあ誰なんだよ!」。身近で起こるオピオイド危機の真実を突き止めようと、大学教授タイロン・ブラウアー(ゲイリー・オールドマン)は激昂する。各人がそれぞれの立場から水面下で動き続けるオピオイドの密輸に迫っていくストーリーが迎える結末とは…?
出演者は名優ゲイリー・オールドマン、『君の名前で僕を呼んで』(2017)のアーミー・ハマーをはじめ、『アントマン』シリーズのエヴァンジェリン・リリー、『ブリグズビー・ベア』(2017)グレッグ・キニア、『ワイルド・スピード』シリーズのミシェル・ロドリゲス、『美女と野獣』(2017)ルーク・エヴァンス、『プラネタリウム』(2016)リリー=ローズ・デップ、ラッパーのキッド・カディ、『TENET テネット』(2020)のマーティン・ドノヴァンら。脚本・監督は『キング・オブ・マンハッタン 危険な賭け』(2012)の俊英ニコラス・ジャレッキが務めた。
映画『Crisis(原題)』は2021年2月26日に米国公開。3月5日に米国内でのデジタル配信開始。
Source: Variety