クリント・イーストウッド『クライ・マッチョ』2022年1月公開決定 ─「本当の強さ」の価値観を変える傑作感動ドラマ

クリント・イーストウッド監督・主演・製作の新作映画『Cry Macho(原題)』が、『クライ・マッチョ』の邦題で、2022年1月14日(金)より日本公開することが決定した。あわせて、日本語版予告編も到着している。
91歳にして現役で活動しつづける巨匠が放つ最新作は、N・リチャード・ナッシュが1975年に出版した同名小説が原作。主人公は、かつて数々の賞を獲得し一世を風靡した元ロデオスター、マイク・ミロ(クリント。イーストウッド)。その栄光はいまや過去のこと。落馬事故をきっかけに、家族も離散、競走馬の種付けで細々と一人で暮らしていた。しかしある日、マイクは元雇用人から、メキシコにいる彼の息子の誘拐を依頼される。メキシコからテキサスへ。その危険で壮大な道のりは、予想外の困難と思いがけない出会いが待ち受けていた。
本作の企画が最初に持ち上がったのは、40年前。原作を読み物語に魅了された映画製作者のアルバート・S・ルディは、イーストウッドに話を持ちかけたが、イーストウッドがマイク役を演じるには時期尚早だと判断し、企画は頓挫した。しかし、2019年、「期は熟した」と考えたイーストウッドがルディにコンタクトをとり、脚本を再検討することになったのだ。ついに映画化へと動き出すこととなった。
脚本を練り直し執筆したのは、ニック・シェンク。『グラン・トリノ』(2008)や、『運び屋』(2018)の脚本を手掛けたこで知られる逸材だ。マイクをイーストウッド自身の個性を生かして更に役柄を仕上げ、苦労と挫折を味わいながら、約束に固い不言実行の男を書き上げた。「クリントはこれからもアメリカの英雄として、不滅の男として語り継がれるでしょう」と、ルディは長年の悲願を達成したと語っている。
公開された予告編は、かつてロデオスターだったものの、今は落ちぶれているマイクが、元雇用人から息子を誘拐するように頼まれ、メキシコへと向かうところから始まる。親の愛を知らない、生意気な不良少年と出会い、そしてふたりが困難な道中のなかで少しずつ交流を深めていく様子が描かれていく。メキシコを横断する旅路の背景には壮大な景色が映し出されており、そしてマイクの新たな出会いもある。
「昔の俺はすごかった。だが今は違う」「男は皆マッチョに憧れる。強さを見せつけたくて」と少年に話す主人公の言葉は、まるでイーストウッド本人が現代社会に生きる私たちに向けて語りかけているメッセージだ。常に第一線で活躍し時代を生き抜いた男、イーストウッドがたどり着いた「本当の強さ」とは何かという答えを、今を生きる全世代に温かく届ける物語であることがうかがえる。

映画『クライ・マッチョ』は、2021年1月14日(金)全国ロードショー。