『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』、アルフォンソ・キュアロン監督の入国審査を助ける

2001年に始まった一大ファンタジー映画シリーズ『ハリー・ポッター』。第1&2作で監督を務めたクリス・コロンバスの後を継ぐ形で第3作『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』(2004)を手掛けたのは、今やメキシコを代表するフィルムメーカーとして知られるアルフォンソ・キュアロン監督だ。
シリーズの原作を読んでいなかった為に、『アズカバンの囚人』の監督を一度は渋ったというキュアロンだが、本作をきっかけにフィルムメーカーとしての知名度は上昇。本人によれば、この“知名度”によって、世界を飛び回る映画監督にとって通過出来なければ致命的な、ある手続きの役に立ったのだとか。
2015年、キュアロン監督はアメリカへの密入国を試みるメキシコ人を描いた映画『ノー・エスケープ 自由への国境』をプロデュース。同作の公開直後に行われた英One Rome with A Viewのインタビューで、作品に関連したテーマである“出入国管理”について訊かれると、「全てはお金がどう動くかどうかなんです」と答え始めた。
「どうしてお金は国境を移動できて、人間は出来ないんでしょう?私は国境を超えられる許可を取れますけど、それも私がお金を稼げるからという認識があるからです。」
「けど、余裕のある移住者(luxury migrant)であるそんな私でさえ…」と続けるキュアロン監督は、書類の確認手続きだけで何時間も待たされた経験があるという。「メキシコのパスポートで外国へ行くのは未だに難しいんです」と監督は説明している。ここで活躍するのが、『アズカバンの囚人』で得た知名度だ。
「『ハリー・ポッター』を監督した後は、スムーズに事が運ぶようになりましたね。彼ら(入国管理官)は、“あ、『ハリー・ポッター』の方ですか、どうぞ通ってください”って口を揃えて言ってくるんです。全ての人が『ハリー・ポッター』に関われる贅沢があるわけではないですけどね。」
かく言う監督は『ハリー・ポッター』での経験を、「私にとってのゲームチェンジャーですね」と語る。「入国に関しては『ハリー・ポッター』にたくさん助けられました」と感謝している様子だ。
インタビューが行われたこの時から約5年。キュアロン監督はこの間に、自身の半自伝的作品『ROMA/ローマ』(2018)でヴェネチア国際映画祭の最高賞である金獅子賞ほか、アカデミー賞で監督賞・撮影賞を獲得している。そんなキュアロン監督、仮にいま入国審査で自身の作品を言うとしたら、『ROMA/ローマ』と『ハリー・ポッター』、どちらを選ぶのだろうか…?
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Source: One Room with A View


























