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カンバーバッチ&トム・ホランド『カレント・ウォー』20ヶ月越しの劇場公開決定 ─ 監督による再編集経ての登場、英国版予告編も公開

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ベネディクト・カンバーバッチ主演、19世紀末に米国で起こった電流戦争を描く伝記映画『カレント・ウォー(邦題未定、原題:The Current War)』が、アメリカ・イギリスにて、当初の予定から20ヶ月越しで劇場公開されることがわかった。

電流戦争とは、米国が電力事業の黎明期にあった1880年代に、かの発明王トーマス・エジソンと技術者ジョージ・ウェスティングハウスが「直流電流か交流電流か」で私情を含めて確執を繰り広げたもの。両者の間には「テスラコイル」で知られるニコラ・テスラや、エジソンの秘書でのちに電力事業のキーパーソンとなるサミュエル・インサルらの存在があった。

『カレント・ウォー』でエジソンを演じるのは、『ドクター・ストレンジ』(2016)や「SHERLOCK/シャーロック」(2010-)などのベネディクト・カンバーバッチ。対するウェスティングハウス役には『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017)のマイケル・シャノン、テスラ役には『X-MEN』シリーズや『ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー』(2017)のニコラス・ホルト。秘書インサル役はスパイダーマン役で知られるトム・ホランドが演じているほか、『ファンタスティック・ビースト』シリーズのキャサリン・ウォーターストンも登場する。

充実のキャスティングで話題となった本作が公開延期となったのは、2017年にハーヴェイ・ワインスタインがセクハラ・性暴力の問題で告発されたため。ワインスタイン・カンパニーが配給を担当していた本作は、事件の影響を受けて2017年11月24日の米国公開が撤回された。2019年4月にアメリカでは101 Studiosが配給権を取得、2019年8月の米国公開を目指すことが報じられたほか、イギリスではEntertainment Film Distributorsの配給によって2019年7月26日に劇場公開を迎える。なお、このたび公開された英国版予告編は2017年9月に公開されたものとほぼ同一だが、フォントをはじめごく一部に変更がみられる。

なお本作は2017年9月にトロント国際映画祭で上映されているが、当時の上映版はアルフォンソ・ゴメス=レホン監督が最終編集権を有していなかったほか、ワインスタインによって完成が急がされたもので、評判も決して良好とはいえなかった。公開の無期延期が決定したのち、レホン監督は映画の再編集に取り組み、トロントでの上映版から上映時間を10分短縮、さらに新たなシーンを5つ追加しているという。

映画『カレント・ウォー(邦題未定、原題:The Current War)』の日本公開は未定。渋い題材ながら、豪華キャストによる演技合戦と濃密な人間ドラマが堪能できることだろう。ぜひ劇場公開を!

Sources: Deadline, THN

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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