「デアデビル:ボーン・アゲイン」ダイナーのシーンは『ヒート』パチーロ対デ・ニーロへのオマージュだった

マーベル・スタジオで新たに蘇る「デアデビル:ボーン・アゲイン」が、ついにディズニープラスにて独占配信開始となった。第1話「天国のひととき」でデアデビル/マット・マードック(チャーリー・コックス)とキングピン/ウィルソン・フィスク(ヴィンセント・ドノフリオ)がダイナーのテーブルを挟んで対峙する場面は予告編映像でもフィーチャーされていたが、やはりそこにはマイケル・マン『ヒート』(1995)へのオマージュが含まれていたようだ。
「デアデビル」の旧シリーズで、デアデビルとキングピンは死闘の末に「互いの大切な存在には手出ししない」との誓いを立てた。それからしばらくが経ち、マット・マードックはトラウマ的な経験をしたことでデアデビルとしての活動を停止する。
対照的にウィルソン・フィスクはニューヨーク市長選に向けて躍進。この場面では、かつて血で血を洗った2人が昼間のダイナーで語り合う。近況報告をし、笑みも交わし、徐々に核心へと迫っていく2人。互いに着席し語り合っているだけだが、ここで繰り広げられるのは言葉による牽制戦だ。
因縁の2人がダイナーで対面するこの象徴的な場面を見て、マイケル・マン監督によるクライム・スリラー名作『ヒート』を思い出す方も多かったろう。『ヒート』では、熱血刑事役のアル・パチーノが、悪名高き犯罪組織のボス役ロバート・デ・ニーロをコーヒーに誘い、ダイナーで緊張感ある対話劇を展開する。追うものと逃げるもの、真逆の立場であるはずの2人だが、会話を重ねるうち、実は互いに似たもの同士なのではないかと気付いていき……。パチーノとデ・ニーロの2人にリハなしで演じさせることで、リアルな緊張感を演出したとの逸話も残る名場面だ。
「これは、『ヒート』のダイナーのシーンへのオマージュです」と、ショウランナーのダリオ・スカルダパンは米ScreenRantで認めている。「2人の素晴らしい俳優が互いに摩擦を起こし、やがて訪れる戦闘を表現しているんです」。
無機質な内装や、正義漢が左で悪人が右という構図も共通。『ヒート』のダイナーのシーンでは、対決の時が来れば必ず殺すことになると互いに誓い、実際に壮絶な決戦を迎えることになる。「デアデビル:ボーン・アゲイン」でも、言葉を通じて静かな火花を散らしたマードックとフィスク。果たして、彼らの再戦ではどれだけの血が流れることになるのか……。
「デアデビル:ボーン・アゲイン」はディズニープラスで配信中。
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Source:ScreenRant