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『ウィンストン・チャーチル』役づくりは「スタミナの訓練」 ― ゲイリー・オールドマン、ニコチン中毒になっていた

ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男
© 2017 Focus Features LLC. All Rights Reserved.

英国首相ウィンストン・チャーチルの首相就任からダンケルクの戦いまで、27日間の出来事を描いた映画『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』。この作品で入魂の役づくりを経てアカデミー主演男優賞を手にしたのが、映画ファンから絶大な支持を集めるゲイリー・オールドマンだ。

日本人アーティスト、辻一弘らによる驚くべき特殊メイクはもちろん、本作でゲイリーは丁寧なリサーチによってウィンストン・チャーチル役に挑んでいた。米Deadline誌やThe Hollywood Reporter誌では、そのエピソードが本人の口から克明に語られている。

ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男
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ヘビーな特殊メイク、大量の葉巻

ゲイリーは本作のウィンストン・チャーチル役について、「スタミナの訓練でしたね」と振り返っている。まず特筆すべきは、これがゲイリー・オールドマンだと聞かされても信じられないほどのビジュアルだ。ゲイリーはこの容姿を獲得するため、毎日撮影前に長時間のメイクアップ作業に参加していたという。

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「(撮影前)4時間早く、誰よりも先に(現場へ)来ていました。それから10~12時間働いて、夜にはメイクを落とすのに1時間。長い毎日が続きましたが、いわば私はこの映画のモーターですから。ほとんどすべてのシーンに出ているんです。こんな体力があったのかって、不思議に思いましたよ。」

しかも撮影中、ゲイリーに負担をかけたのは長時間の作業だけではなかった。劇中、多くのシーンで彼は葉巻を吸っている。ジョー・ライト監督が「葉巻なしにウィンストン・チャーチルは描けない」と語るように、劇中では実際のチャーチルが愛してやまなかったというブランド「ロメオ Y ジュリエッタ」が使用された。撮影中、ゲイリーがくわえた葉巻は少なくとも400本。3,000万ドルの製作費のうち、なんと約20,000ドルが費やされたという。

「重いニコチン中毒になりました。葉巻を4分の3吸って、また火をつけて、というのを数回繰り返すんです。なくなったら、小道具のスタッフが新しい葉巻を持ってきて。そんなことをワンシーンに10~12テイクやっていましたから。」

ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男
© 2017 Focus Features LLC. All Rights Reserved.

こうした厳しい撮影を時に回想しつつも、ゲイリーは「この役を演じるのはすごく楽しかった。だからやり遂げられたんです」話している。また、もちろんビジュアル面以外にも、彼が古いニュース映像を見る、資料を読み込むなど入念なリサーチを重ねて役に入っていったことも忘れてはならないだろう。

「チャーチルについて書かれた本は、彼自身が書いた50冊を別にして800冊以上あります。素材は大量にあるんですよ。判断力を失ってしまいかねないので、僕はすごく細かい部分に取り組みました。彼の人生の、(本作で描かれる)限られた時間に集中して、あらゆる役と同じように、小さなところから彼という人物を作っていったんです。」

映画『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』は2018年3月30日より全国の映画館にて公開中

『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』公式サイト:http://www.churchill-movie.jp/

Sources: Deadline, THR
© 2017 Focus Features LLC. All Rights Reserved.

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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