西暦2400年、『デイ・アフター・トゥモロー』の氷河期が現実になる?米英の研究で判明、しかし公開当時は「ありえない」

映画『デイ・アフター・トゥモロー』(2004)で描かれた過酷な氷河期や数々の異常気象が、未来を生きる人類を現実に襲うことになるかもしれない。米国・英国の大学が研究によって明らかにしている。

『デイ・アフター・トゥモロー』は、地球温暖化によって南極大陸の氷が溶け始めたことをきっかけに海流の動きが急変し、世界各地で異常気象が発生、ついに氷河期が訪れるという事態を描いたディザスター・ムービーだ。その荒唐無稽な設定や描写の数々は、いわゆる「ハリウッド製パニック映画」あるいは「ローランド・エメリッヒ流スペクタクル」として受け取られ、それが現実化する可能性はほとんど検討されてこなかったのである。

2400年、北半球に氷河期到来?

『デイ・アフター・トゥモロー』の劇中では、地球温暖化が大西洋の南北方向鉛直循環(AMOC)を崩壊させることが異常気象を生んでいる。では、そんな事態は絶対に起こりえないのだろうか……。

2017年1月、世界最大にして最長の歴史を誇る気候・海洋研究機関「スクリップス海洋研究所」(米カルフォルニア大学サンディエゴ校)は、西暦2100年までに二酸化炭素の濃度が現在の倍になるという現在の予想に基づいた場合、西暦2400年までに海流が崩壊する可能性があると指摘している

この研究が明らかにしているのは、従来の研究が海流の崩壊する可能性を低く見積もっているのではないか、そこになんらかのバイアスがあるのではないか、という点だ。一切のバイアスを取り払った場合、二酸化炭素の濃度が現在の倍になってから300年以内に海流に異変が発生し、『デイ・アフター・トゥモロー』のごとく大西洋の南北循環が止まることで、北半球に大規模な氷河期が到来することは十分にありうるというのである。

ただしこの予想でさえも、あくまで地球温暖化の原因を「二酸化炭素の濃度」のみに絞り込み、また将来にわたって大西洋の南北循環が安定した状況にあることを前提としているようだ。もしもその他の異変が発生したり、状況が大きく変わるようなことがあれば、「300年」という数字がさらに小さくなることもあるだろう。

 

ちなみに、こうしたシナリオの現実性を指摘したのはスクリップス海洋研究所が初めてではない。
2015年、英サウサンプトン大学は「もしも地球温暖化に伴って大西洋の南北循環が崩壊した場合、約20年にわたって寒冷化が起こる」という研究結果を発表していたのだ。研究を実施したシブレン・ドリジョート教授は「地球温暖化が現在のペースで続いた場合、南北循環崩壊からの回復には約40年かかる」、さらに「北大西洋の東部では1世紀以上かかる」と記している。

ここで米国・英国で行われたふたつの研究をあえて単純に繋げてみると、2400年までに最長1世紀にわたる氷河期が地球を襲ってもおかしくない、ということになるのではないだろうか。

しかし『デイ・アフター・トゥモロー』が劇場公開された2004年当時、環境問題を専門とする米ワールドウォッチ研究所のトム・プルー氏は「氷河期がやってくるとは思いません」と述べ、物語の内容についても「事実はわずかにしか含まれておらず、大げさに描かれています」とコメントしていた。映画で描かれた“崩壊のシナリオ”に信憑性がほとんどないとして、専門家たちは少なからぬ批判を浴びせたのだ。
もっとも、そうした傾向を学者たちの単純な過ちだということもできないだろう。英サウサンプトン大学は、2004年当時、「地球温暖化によって大西洋の南北循環が破壊されるというシナリオが最先端の技術で検証されることはなかった」と記しているのだ。約10年という時を経て、かつては荒唐無稽だったはずの災害のシナリオに現実性が浮上することもあるというべきだろう。

映画『デイ・アフター・トゥモロー』はブルーレイ&DVDが現在発売中。

Sources: http://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-4090226/The-Day-Tomorrow-reality-Ocean-currents-COLLAPSE-near-future-plunging-Northern-hemisphere-ice-age-warn-scientists.html
https://www.southampton.ac.uk/news/2015/10/could-the-day-after-tomorrow-happen.page
http://news.nationalgeographic.com/news/2004/05/0527_040527_DayAfter.html
Eyecatch Image: Photo by santoshsurneni photography ( https://www.flickr.com/photos/santoshsurneni/16254116609 )

About the author

1989年生まれ。THE RIVER編集部。わかりやすいことはそのままに、わかりづらいことはわかりづらいまま、少しだけわかりやすくしてお届けできればと思っております。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

ポップカルチャーは世界を変える

TwitterでTHE RIVERをフォローしよう!


こちらの記事もオススメ

JOIN THE DISCUSSION

※承認されたコメントのみ掲載されます。