デッドプールがR指定映画になるまで 「危うく魂を売るところだった」当初はPG-13予定だった?

海外では18歳未満の鑑賞が禁止されているR指定映画ながらも世界的な大記録を次々と打ちたて、ここ日本でもR15指定の制限がかけられながらも6月1日の公開初日はド平日かつ鑑賞料金が割安になる「映画の日」ながらも1億6,400万円のモンスター級ヒットで迎え入れられたデッドプール。
なぜデッドプールがここまでヒットしたのか、理由を列挙すればキリが無さそうだが、その一つに作品をR指定とすることで、エロやグロなど「子供の観客を気にしなくても良い、吹っ切れた描写」が出来た事で大人たちにゲラゲラ笑ってもらえた事が大きいかもしれない。

だが、映画デッドプールにとって、彼の赤いコスチュームと並んで象徴的な『R指定』という設定は、当初設けられない可能性があった事を脚本と製作総指揮のレット・リーズが明かした。


「危うく、PG-13になるところだったんですよ。」レットは、Den of Geekのインタビューに答えている。PG-13は、13歳未満の鑑賞に保護者の同意が必要、というレートだ。あくまでも保護者の同意が求められるだけであって、年齢制限ではない。

「Foxは、PG-13バージョンも作って、それを観てから決めよう、と要求してきたんです。一応作りましたよ。ほんの数分のために、魂を売り渡すところでしたね(笑)
でも面白いことに、PG-13バージョンもR指定バージョンも、あんまり変わらなかったんですよ。汚い言葉が消されて、性的な部分も消されたけど、ほとんどのアクションや構成、シーンは全部同じでね。

これをどうするかはFox次第だったんですが、”これでいいのかな?”って話になって。で、有り難いことに、これじゃダメ!って事になったんです。
サイモン・キンバーグ(X-MENシリーズの監督で、デッドプールではプロデュースを担当)の数年間のサポートもあって、一周回ってR指定バージョンが一番良いかもね、って話に落ち着いたんです。」

R指定となれば当然観客の母数がごっそり削られるわけで、興行収入を重視するスタジオ側の要求は無理もない。だがデッドプールの作品世界を貫くためにR指定バージョンで公開するという英断を下したFoxにはファンとしてお礼を言いたいところだ。おまけに、低予算で制作されたために2D映画となったデッドプール。3D映画の特別鑑賞料金も上げられないという不利な状況が揃った中での公開になったが、蓋を開けてみれば本国でFox史上最高のオープニング記録を叩き出し、R指定映画として史上最高額のヒットを打ち出すなど、まさに規格外の俺ちゃん旋風を巻き起こした事は、皆さんがよく知る通りだ。

日本でも、ファンを大切にした誠実なプロモーションが評判で、客足に好影響を与えている。本当に必要なのは、作品を愛する人が映画を作り、作品を愛する人のもとに丁寧に送り届ける事なのだろう。図らずも、お下劣無責任ヒーローがそんな事を証明してみせる形になった。

Eyecatch Image:http://www.techinsider.io/deadpool-success-more-r-rated-superhero-movies-2016-2

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THE RIVER編集長。ライター、メディアの運営や映画などのプロモーション企画を行っています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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