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『DUNE/デューン』ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督、「自分史上いちばんポップな映画にしたかった」

DUNE/デューン 砂の惑星
©2020 Legendary and Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved

2021年最大のSF超大作、『DUNE/デューン 砂の惑星』がついに劇場公開された。監督を務めたのは、『メッセージ』(2016)『ブレードランナー 2049』(2017)のドゥニ・ヴィルヌーヴ。米IndieWireでは、本作を「自分史上いちばんポップな映画」にしたかったという思いが語られている。

もともとヴィルヌーヴ監督は、幼い頃から原作小説の大ファンだったことで知られ、自身の手による映画化は長年の夢だったという。それゆえ映画化にあたっては、かつての自分と同じような少年少女の存在をしっかりと意識したようだ。

13歳、14歳くらいの方が観て楽しめる映画にしたかったんです。原作を読んだ時、僕の頭にはイメージが浮かんできました。だから、自分の中のティーンエイジャーを満足させたかった。最初からPG-13指定の映画にすることには同意していましたし、ストーリーの語り方やテンポについても同様でした。この映画を、自分史上いちばんポップな作品にしたいと思ったのです。」

近年は大作SF映画にシフトしているヴィルヌーヴ監督は、メキシコ国境を舞台に麻薬戦争を描いた『ボーダーライン』(2015)、少女誘拐事件をめぐって父親と刑事が火花を散らす『プリズナーズ』(2013)、双子の姉弟がレバノンで自身のルーツに迫る『灼熱の魂』(2010)など、ハードな設定とテーマを丁寧に扱った作品で知られる。もっとも監督は、本作を「いちばんポップな作品に」することは「妥協するということではない」とも言い切った。

「ハードコアなファンだけを満足させる、わかりづらい『DUNE』を作ることは簡単だったでしょう。小説の深いルーツに即しながら、わかりやすい映画にすることが大きなチャレンジでした。」

ちなみにヴィルヌーヴ監督は、『メッセージ』『ブレードランナー 2049』を時間がない中で作ったことから、本作ではじっくりと「自分自身の奥深くに潜って」創作することを決めていたという。「『DUNE』を映画的な喜びのある作品に」と決意した監督が参照したのは、自らが愛する『アラビアのロレンス』(1962)。10代の頃、映画館で70mm上映を鑑賞して「映画言語の純粋さ、風景や空間の使い方に衝撃を受けた」といい、ストーリーにも共通点があることを認めている。

映画『DUNE/デューン 砂の惑星』は2021年10月15日(金)より全国公開中。

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Source: IndieWire

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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