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「グルーには愛が必要なんだ」 ― 大ヒット『怪盗グルーのミニオン大脱走』ストーリーのツボ

怪盗グルーのミニオン大脱走
(C) Universal Studios

映画『怪盗グルーのミニオン大脱走』は、今や日本で知らない者はいないほどの大人気キャラクター“ミニオンズ”の登場するシリーズ第3作だ。日本では2017年7月21日に劇場公開されるや、週末の映画ランキングで首位を獲得するロケットスタート。その圧倒的な人気と支持をうかがわせた。

そんな『怪盗グルー』シリーズの魅力は、なんといってもとにかくかわいいキャラクターたちが織りなすユニークなストーリーにある。第1作『怪盗グルーの月泥棒』(2010)からそのストーリーを生み出しているのは、シンコ・ポール&ケン・ドーリオの脚本家コンビだ。しかし二人は、シリーズがまさか3作目まで続くとは、スピンオフ作品『ミニオンズ』(2015)まで製作される人気シリーズになるとはまったく思っていなかったという。

いわば作り手にとっても予想外のヒットとなった『怪盗グルー』シリーズの物語を、二人はどのように広げていったのか? 世界中の観客の心をつかんだ「ストーリーのツボ」を教えてもらうことにしよう。

怪盗グルーのミニオン大脱走
(C) Universal Studios

シリーズのテーマは「グルーには愛が必要」

第1作『怪盗グルーの月泥棒』は、のちに『ペット』(2016)や『SING/シング』(2016)などヒット作を多数生み出すイルミネーション・エンターテインメントの長編映画第1作だった。いわば社運を賭けた挑戦にのぞんでいた、ポール&ドーリオをはじめとしたスタッフたちは、当時このように考えていたようだ。

もう1本映画を作らせてもらえますように、って願ってたよ。続編じゃなくてもいい、でも会社が映画を作らせてくれること、自分たちのやり方でまた映画を作れることを願っていたんだ。『月泥棒』がシリーズになるなんて考えたこともなかった」

ドーリオはこう話しているが、それでも『月泥棒』のストーリーには大きな自信があったという。「3人の少女と大悪党がお互いの人生を変えていくんだ。すごくいいストーリーだと思っていたよ」
のちにスタッフたちは、『月泥棒』のメガヒットを受けてユニバーサル・ピクチャーズから続編の製作を打診される。そこで二人は、第1作にシリーズを拡大するヒントが眠っていたことに気づいたというのだ。シリーズの2作目、3作目の展開をポールはこう説明する。

“あっ、グルーには愛が必要なんだ”って思ったんだ。彼は父親になって愛情のひとつを知った、だから別の愛情が必要だってね。そこで2作目の『怪盗グルーのミニオン危機一発』(2013)では、彼とルーシーが恋に落ちるんだ。3作目『ミニオン大脱走』も同じことだったよ。子どももいるし妻もいる、だけど彼がまだ知らない愛情がきっとあるはずだって。それが兄弟愛だった」

3作目『ミニオン大脱走』には、グルーの生き別れた双子の弟・ドルーが登場する。そう、『怪盗グルー』シリーズとは、孤独だったはずのグルーが少しずつ家族と出会っていく物語なのだ。

怪盗グルーのミニオン大脱走
(C) Universal Studios

ちなみに、「一度続編が決まると、あらゆる可能性が開けてきた」と語る二人は、ミニオンズのストーリーにも今では無限の可能性を感じているという。

「『ミニオン大脱走』で最初にひらめいたアイデアのひとつが、“ミニオンズが刑務所に入る”ってことだったんだ。すごく楽しいと思ったよ(笑)。脚本家としてミニオンズを少しの間閉じ込めてみたかったのさ。きっとオリの中でもいい仕事をしてくれるってね」

すでに全世界で大ヒットしている第3作を受けて、おそらくシリーズ第4作も製作されることになりそうだ。ここからグルーの物語は、そしてミニオンズの活躍はどう広がっていくのか……。まだ『ミニオン大脱走』を観ていない人は、その最新形をぜひ確かめてみてほしい。

映画『怪盗グルーのミニオン大脱走』は、2017年7月21日より全国公開中

Source: http://directconversations.com/2017/06/30/interview-despicable-3-scribes-cinco-paul-ken-daurio/
(C) Universal Studios

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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