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『プラダを着た悪魔』続編映画の可能性、アン・ハサウェイらの反応は ─ ブロードウェイ・ミュージカル版も進行中

プラダを着た悪魔 リベンジ! 上 ローレン・ワイズバーガー(著/文)佐竹 史子(翻訳) 発行:早川書房

メリル・ストリープ&アン・ハサウェイの共演で、今に至るまで根強い支持を得ている『プラダを着た悪魔』(2006)。ジャーナリスト志望のアンディが、ファッション誌のカリスマ編集長・ミランダのアシスタントとなり、“悪魔”的な環境で働きながらも自分や周囲と対峙していく物語だ。

原作となったのは、実際に米VOGUEの編集長アシスタントをしていたというローレン・ワイズバーガーの同名小説(早川書房)。2003年に刊行された小説には、2013年に続編小説『プラダを着た悪魔 リベンジ!』(早川書房)が刊行されている。ぴったり10年のブランクを経て発表されたこの作品は、アンディやミランダの10年後を描く物語だ。

さて、映画版『プラダを着た悪魔』が公開されてから、すでに15年近くが経過している。続編『リベンジ!』をメリル・ストリープ&アン・ハサウェイで映画化するという可能性はないものか……。

続編『リベンジ』映画化の可能性は

振り返れば、『インターステラー』が公開された2014年、ハサウェイは続編への関心を尋ねられていた。続編小説が刊行されてから、そう間が空かない時期のエピソードである。当時、ハサウェイは続編について「(実現したら)楽しそうじゃないですか? やりたいですね」語りつつ「何か計画があるのかは知らないですけど」と言い添えていた。

もっとも、公開から10周年を迎えた2016年には、米Varietyにてストリープ&ハサウェイが続編への興味を否定している。同誌によれば、ストリープは個人的に続編への関心がないことを語ったとされ、ハサウェイも「(続編を)やれるかどうか、という問いが正しいかどうか分からないんです。作るべきかどうかでしょう」と述べたのだ。「同じメンバーで映画を作りたいとは思いますけど、まったく別の映画がいいですね。(『プラダを着た悪魔』は)そのままでいいんです」

ストリープ&ハサウェイが消極的な時点で実現は難しそうだが、共演者たちも同じ意見だからむしろ興味深い。ナイジェル役のスタンリー・トゥッチは、同じく2016年に『リベンジ!』映画化について「絶対ないでしょう」と率直な意見を明かした。「とても良い脚本で、楽しくて、きちんと中身もある役でした。素晴らしかった」「あらゆる意味で完璧なアメリカのスタジオ映画」と前作を絶賛しながら、「時には何もしないのがベストということもあります。もしもやり直すんなら、成功する続編はごくわずかという現実に向き合わないとね」と口にしているのだ。

エミリー役を演じたエミリー・ブラントも、2018年には「もしみんなが出るんならやります」と述べて、わずかに前向きな姿勢を見せつつも、「作られないことを望んでいると言ってもいいですね。続編を作ると、前作の特別な部分を台無しにしてしまうことがあるから」とコメント。トゥッチと同じく、続編を成功させる困難さを噛み締めた。

ブロードウェイ・ミュージカル版へ

残念ながら『プラダを着た悪魔』の続編映画は望めなさそうだが、一方で本作はブロードウェイ・ミュージカル化の企画が進んでいる。ローレン・ワイズバーガーによる原作小説、そして映画版の両方に基づくミュージカル版では、音楽をあのエルトン・ジョンが担当。ミランダとアンディ役はミュージカルで活躍する女優ベス・リーベル&テイラー・イマン・ジョーンズが演じ、脚本・作詞は『ステップフォード・ワイフ』(2004)のポール・ラドニック、作詞・作曲はミュージシャンのシャイナ・タウブが担当。演出は『8月の家族たち』(2014)の原作舞台を手がけたアナ・D・シャピロだ。

『プラダを着た悪魔』の物語がどのようにミュージカルとして生まれ変わるのかは、まだわからない。当初は2020年7月に上演される予定だったが、スケジュールの都合により1年の延期となり、2021年7月にシカゴで初演、その後ブロードウェイ公演が行われる予定なのだ。もっともブロードウェイは新型コロナウイルスの影響で劇場の休館が続いており、公演再開の目処は立っていない。今後もスケジュールの変更が行われる可能性はあるが、まずは続報の到着に期待しよう。

Sources: Variety, People, The Hollywood Reporter, Hindustan Times, Deadline

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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