ピーター・オトゥールの遺作『ダイアモンド・カーテル』は、カザフスタンのグラインドハウス映画だ!

オスマン帝国からのアラブ独立闘争を描いたデヴィッド・リーン監督の映画『アラビアのロレンス』、この作品で主人公のイギリス陸軍将校トマス・エドワード・ロレンスを演じていることでもお馴染みの今は亡き名優ピーター・オトゥールの遺作となる映画が、完成から6年を経て遂に2017年3月31日に米国での公開を予定している。

作品のタイトルは『ダイアモンド・カーテル(原題:Diamond Cartel)』、そして本作品はイギリス映画でもなければアメリカ映画でもない、カザフスタンの映画監督による生粋のカザフスタン映画なのである。

2012年7月10日の俳優引退表明の後、ピーターは晩年長らく闘病生活を送っていたのだが、2013年12月14日にロンドン市内の病院で81歳の生涯を終えている。そして実は引退の直前、2011年にはすでに完成していたこの『Diamond Cartel』こそが、彼の最後の出演作となったのだ。

Peter O'Toole

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そして本作品、ピーター・オトゥールの遺作というだけでなく、個人的にはいろいろな意味で実に注目度が高い。

まず先にも述べたカザフスタン映画だということ。ぼくは今までの人生で、おそらくだがカザフスタン映画など観たことがないと記憶している、実は知らないうちに観ているという可能性もあるが、たぶんない。

キャスティングがある意味豪華

次に、出演者がある意味ではやたらと豪華である。ただちょっとマニアックなメンバーではあるが、ぼくの目線からすれば豪華としか言いようがない。その面々はといえば、シルベスター・スタローン主演の『ジャッジ・ドレッド』でリコ役を演じていたアーマンド・アサンテ、タランティーノ映画でお馴染みの強面マイケル・マドセン、実写版『TEKKEN -鉄拳-』で三島平八役を演じていたコチラも強面の日系アメリカ二世のケイリー=ヒロユキ・タガワ、リュック・ベッソンの『フィフス・エレメント』では統一宇宙連邦の黒人大統領リンドバーグ役を演じていたトミー・“タイニー”・リスター、ブルース・リーの『燃えよドラゴン』に登場する筋肉男、ボロ・ヤンことヤン・スエ。

Diamond Cartel

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これでもかという満腹感だが、ここにピーター・オトゥールまで加わるという豪華さだ。

この他にも、ロシアやカザフスタンでは有名な俳優陣が数多く出演しているらしいが…、ぼくはあまりその筋には精通していないので、他の方々は正直よく知らないけれどね。

Diamond Cartel

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さて本作品の監督に関してだが、カザフスタン共和国カラガンダ出身のサラマット・ムハメッド・アリという人物、どこかで聞いたことのある名前ではあるが、これはクリエイターとしての名前で、本名はサラマット・ムカムディエフという。ただ正直ぼくはこの監督の作品を観たことがない…。

彼はもともとミュージシャンとしてロックバンドのボーカルを担当していたようだが、その後ミュージック・ビデオのディレクターやTV番組制作を経て、現在では映画の監督やプロデューサーを生業としているようである。アメリカでの映画製作も手掛けているようなので、カザフスタン映画とは言え、その作風にはアメリカ映画の大いなる影響があるのではなかろうかと思う。

また公開されている監督のプロフィール写真なのだが…、失礼ながら非常なインチキ臭さが否めない。なにやら日本の三流ムード歌謡歌手か、あるいは昔の香港映画に出てきそうな売れないロックスターみたいな写真である。まあでも思えばウォン・カーワイだって、見ようによってはヤサグレた関西のオッサンみたいだし、手腕には関係ないかもしれないが…。ちなみに本作品の監督は、現在カザフスタンでは最もアツい映画人だそうである。

Salamat Mukhamediyev

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とまあそんなわけで、ピーター・オトゥールが関わらずとも大いなる話題性を秘めた本作品だが、果たして日本で劇場公開されるのか否か、たぶんされないと思うけれど、でも個人的には、こういう映画こそ劇場公開したらいいのになあと、正直そう思う。

さてお待ちかねの予告編であるが、なかなか見応えがある。ぼくが観る限りでは、クエンティン・タランティーノやロバート・ロドリゲスが愛する“グラインドハウス”映画的趣の強さにおいて、その完成度は大いに期待できるのではないだろうか。ただ、完成から年月が経ちすぎているためかどうかはしらないが、CGの加工が雑な雰囲気がある。アメリカ映画に慣れ親しんだ監督によるあえてのグラインドハウス仕様か、あるいは単に技術的問題なのかはわからない。 

Diamond Cartel

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ではその予告編を、ごゆっくりどうぞ。

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普段はあまり摂取しないコーヒーとドーナツを、無駄に欲してしまう今日この頃。You know, this is - excuse me - a damn fine cup of coffee.

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