Sawady 2023.12.22 12:29 News | Tv/Movie

ヴィン・ディーゼル、『ワイスピ5』元アシスタントから性的暴行容疑で訴えられる ─ ディーゼル側は「証拠がある」と全面否定

『ワイルド・スピード』シリーズで知られるヴィン・ディーゼルが、元アシスタントの女性に性的暴行を加えていたとして提訴されたことがわかった。これを受け、ディーゼル側は行為を全面的に否定する声明を発表している。

原告のアスタ・ジョナソンは、ロサンゼルス郡高等裁判所に対し、26ページに及ぶ訴状を提出。2010年、『ワイルド・スピード MEGA MAX』（2011）の撮影期間中に発生したという性的暴行に関する詳細を記している。

当時、映画学校プログラムを修了したばかりだったというジョナソンは、米ジョージア州アトランタで行われた『MEGA MAX』撮影期間中におけるディーゼルのアシスタントとして、ディーゼルの映画製作会社One Race Filmsに雇われたと訴状で述べている。与えられた仕事は主に、パーティの準備業務やディーゼルへの同行業務だったという。

ある日の夜遅く、ジョナソンはディーゼルがクラブから連れてきたホステスたちをもてなしている間に、ディーゼルが滞在していたホテルのスイートルームで待つように指示を受けたという。ホステスたちが帰った後、ディーゼルがやってきて、無理やりベッドの上に寝かされたと訴状に記されている。

ジョナソンは止めるようお願いし、扉のほうへ移動したというが、それでもディーゼルは迫り続け、「乳房をまさぐったり、胸元へキスし始めた」とのこと。次にディーゼルから下着を脱がされ始めたため、叫びながらトイレへと駆け込んだと原告は訴えている。そのほか訴状では、ディーゼルがジョナソンを壁に向かって押し付け、自身の勃起したペニスを無理やり触らせ、自慰行為を始めたという旨も記されている。

当時の心境について、ジョナソンは「怯えながら目を閉じ、性的暴行から（自分を）引き離しながら、彼を怒らせまいとしていた」とのこと。訴えによれば、この数時間後、ディーゼルの妹でありOne Race社の代表を務めるサマンサ・ヴィンセントから電話を受け取り、わずか2週間足らずでの解雇を伝えられたという。

解雇の理由について、原告は「自分は用無しだと思われたからクビにされたのだということは明白でした」と主張。「ヴィン・ディーゼルは自分の性的欲望を満たすために利用した」「自分が役立たずだと感じ、自尊心も破壊された。成功したキャリアというのは、出世のために体を引き換えにする必要があるのかと疑うようになった」と訴えている。

今回の提訴を受け、ディーゼルの弁護を務めるブライアン・フリードマンは米Vanity Fairを通じて声明を発表。上述の行為を否定している。

「はっきりさせておきましょう。ヴィン・ディーゼルはこの主張を全面的に断固として否定しています。9日間の有期雇用者によってなされた13年以上前の訴えについては始めて聞いたものです。このような訳のわからない主張が誤りであることを完全に証明する明らかな証拠があります。」

10年以上が経過したタイミングで声を上げたことについて、原告側は、One Race社との労働契約を結んだ際、守秘義務に関する契約に署名していたためだと主張。今回の提訴については、2022年にカリフォルニア州で制定された、職場における性的暴行やハラスメント等に関連する守秘義務の執行を無効化する「Speak Out Act （スピークアウト法）」と、2009年以降に発生した性的虐待の申し立てに関する時効を一時的に免除するカリフォルニア州法「AB2777」を通じて行っているという。さらに、ジョナソンは近年のMeToo運動やTime’s Up運動によって「ヴィン・ディーゼルとOne Raceのせいで耐えてきた苦しみのために、自分の主体性と正義を取り戻すよう」鼓舞されたと主張している。

なお原告側は、被害はディーゼルからだけではなく、One Race社の上司からも自室へ呼び出され性的暴行の被害に遭いそうになったと訴状の中で訴えている。