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ディズニーと21世紀フォックスの事業統合は「ほぼ完了」 ─ 買収のキーパーソンが語る

ディズニー

ウォルト・ディズニー・カンパニーと21世紀フォックスの事業統合は、2018年12月現在、ほぼ完了状態にあるという。ディズニー側のキーパーソンが米The Hollywood Reporterに語った。

2018年6月、ディズニーは21世紀フォックスの映画事業(20世紀フォックス)やテレビ事業(FOX ネットワークスなど)をはじめとする複数事業を713億ドル(7兆8,430億円※1ドル110円換算)で買収することでフォックス側との最終合意を得た。翌7月には、両社の株主から承認を受けている。

このたびインタビューに応じたのは、ディズニー&フォックスが事業統合について初めて発表した2017年12月当時、ディズニー側の最高戦略責任者を務めていたケヴィン・メイヤー氏だ。買収交渉の最前線に立った人物で、現在はディズニーの新ストリーミングサービス「Disney+」をはじめ、プラットフォームやテクノロジー、流通などを世界規模で統括。フォックスとの事業統合について、メイヤー氏は現状をこう語っている。

「この取引を成立させるため、夜も眠れないんですよ。でも、ほとんど終わりました。ほとんど完了です。実現に向けて一生懸命にやっていますし、(「Disney+」などの)サービスをお届けすることに熱心なんですよ。緊張しているというより、むしろ気持ちが高ぶっていますね。」

既報によれば、ディズニーとフォックスの事業統合は2019年の前半に完了予定だという。このたびThe Hollywood Reporterも、統合は海外の規制当局による承認を待っている状況だと記した。すなわち実際のところ、両社の内部的な手続きは現時点で「ほとんど完了」しているのかもしれない。以前フォックス側も、ディズニーの買収を受けない事業で構成される新企業New Foxの準備を年内に終える方針を明らかにしていた。

なお統合を控えて、20世紀フォックスは映画の公開スケジュールを大幅に組み替えるなどの措置を図っている。統合後も20世紀フォックス、フォックス・サーチライト・ピクチャーズ、FOX2000というブランドは存続されるが、いずれ各ブランドの作品はディズニーが配給・広報を統括することになる。なお一部報道によれば、ディズニーが配給するフォックス作品の第1弾は『X-MEN:ダーク・フェニックス』になる可能性があるという。

2018年も終わりに向かう中、ディズニーと21世紀フォックスの事業統合は完了に向けて突き進み、同時にNetflix製作のマーベル原作ドラマは相次いで終了が発表されている。ディズニーをめぐる一連の動きが業界全体にいかなる影響をもたらすのか、その結果は2019年半ば以降、時間をかけて明らかになることだろう。

Source: THR

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。