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構想30年、頓挫9回『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』1月24日公開決定 ─ 鬼才監督の悲願、「史上最も呪われた映画」待望の日本上陸

テリー・ギリアムのドン・キホーテ
© 2017 Tornasol Films, Carisco Producciones AIE, Kinology, Entre Chien et Loup, Ukbar Filmes, El Hombre Que Mató a Don Quijote A.I.E., Tornasol SLU

構想30年、企画頓挫9回。“映画史上最も呪われた企画”と謳われた、鬼才テリー・ギリアム監督による悲願の新作『THE MAN WHO KILLED DON QUIXOTE(原題)』が、邦題『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』として、2020年1月24日(金)にTOHOシネマズ シャンテほか全国公開されることが決定。このたびポスタービジュアルがお披露目となった。

1989年の構想開始から約30年、テリー・ギリアム監督が数多の障害を乗り越えて完成させた本作は、第71回カンヌ国際映画祭でクロージングを飾って絶賛を受けた。2000年、スペイン・マドリードで最初の撮影を始めた際には、撮影現場周辺を戦闘機が飛び交い、あえなく中断。鉄砲水に襲われて撮影機材が流失、風景も様変わりしてしまう悲劇に見舞われる。さらにドン・キホーテ役(当時)のジャン・ロシュフォールが腰痛のため歩けなくなり、ついに企画は頓挫した。その後も資金繰りやキャスティング、権利関係の問題などで、本作は長らく実現が叶わなかったのだ。その経緯は『ロスト・イン・ラ・マンチャ』(2002)としてドキュメンタリー映画化されており、なんと今回も、作品の完成後に元プロデューサーとの訴訟騒動で一時公開が危ぶまれたほど。“映画最も呪われた企画”との異名はバカにできないのである。

物語の主人公は、仕事への情熱を失ったCM監督のトビー。スペインの田舎で撮影中のある日、彼は謎めいた男からDVDを渡される。それは、トビーが学生時代に監督し、賞に輝いた映画『ドン・キホーテを殺した男』だった。舞台の村が近くにあると知ったトビーは現地に向かうが、映画のせいで人々は変わり果てていた。ドン・キホーテを演じた靴職人の老人ハビエルは、自分を本物の騎士だと信じ込んでおり、清楚な少女だったアンジェリカは女優を夢見て村を飛び出したのだ。トビーを忠実な従者のサンチョだと思い込んだ老人は、トビーを引き連れて大冒険の旅へと出発するが……。

ジョニー・デップ、ユアン・マクレガーなどが就任しては断念した主人公トビー役には、『スター・ウォーズ』や『ブラック・クランズマン』(2018)のアダム・ドライバー。自分をドン・キホーテと信じる老人ハビエル役には、「ゲーム・オブ・スローンズ」で知られ、テリー・ギリアム監督作品には『未来世紀ブラジル』(1985)など今回が4度目のタッグとなる重鎮ジョナサン・プライス。トビーのボスを『パイレーツ・オブ・カリビアン』『アベンジャーズ』の名優ステラン・スカルスガルド、ボスの妻でトビーを誘惑するジャッキを『007/慰めの報酬』(2008)『オブリビオン』(2013)のオルガ・キュリレンコが演じるほか、新進女優ジョアナ・リベイロ、『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』(2011)スパニアード役のオスカル・ハナエダ、『ハリー、見知らぬ友人』(2000)セルジ・ロペスらが出演する。

テリー・ギリアムのドン・キホーテ
© 2017 Tornasol Films, Carisco Producciones AIE, Kinology, Entre Chien et Loup, Ukbar Filmes, El Hombre Que Mató a Don Quijote A.I.E., Tornasol SLU

ポスタービジュアルに踊るのは、一本の映画によって人生が変わってしまったハビエルやトビーだけでなく、幾度となく企画が頓挫して人生が狂わされたテリー・ギリアム監督自身をも暗示するかのような「映画が、全てを狂わせる」というキャッチコピー。ドン・キホーテが木馬にまたがって空に剣を掲げる姿が神々しく描かれているほか、ドン・キホーテの夢想の象徴ともいえる風車と巨人、巨大な掌に立ちすくむトビーの姿など、虚実が入り乱れるテリー・ギリアム監督らしい世界観がうかがえる。

映画『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』は2020年1月24日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー

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THE RIVER編集部THE RIVER

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