【ネタバレ】『ドント・ブリーズ2』に『スター・ウォーズ』とのつながりがあった ─ 監督ら製作陣が認める

このページには、『ドント・ブリーズ2』のネタバレが含まれています。映画をご覧になってからお楽しみください。
『ドント・ブリーズ2』で『スター・ウォーズ』へのオマージュが見られるのは、本編クライマックスでのことだ。盲目の老人は、娘として育てたフェニックスを守るため、彼女の生みの親と激闘。狂気的な戦闘能力と執念をもって、なんとか実父レイランを倒す。しかし盲目の老人は、自身も瀕死の重症を負うのだった。
そこで老人は、フェニックスに「私はお前の父親ではない」と真実を告げる。原語では“I am no father”、『スター・ウォーズ』のファンは、ここでダース・ベイダーの名台詞を思い出すだろう。その後、あなたを救うのだとフェニックスに言われると、老人は弱りきった声で「もう救ってくれた(You already have)」と発する。これは『エピソード6/ジェダイの帰還』(1983)の有名なラストシーン、マスクを外したダース・ベイダー(アナキン・スカイウォーカー)とルークが果たす、最初で最後の会話と同じだ。
さらに『ドント・ブリーズ2』のラストショットでは、孤児院にやってきたフェニックスが名前を尋ねられ、レイランから与えられた本名ではなく、老人から与えられた新たな名“フェニックス”を名乗る。これも、『スカイウォーカーの夜明け』(2019)のラストで、レイが“スカイウォーカー”を名乗る幕切れと同じなのである。
これはやっぱり、『スター・ウォーズ』へのオマージュなのだろうか?どうしても気になったTHE RIVERが、本作監督・脚本のロド・サヤゲスと、脚本・製作のフェデ・アルバレスに直接聞いてみたところ……。
「(『スター・ウォーズ』からの影響は)あちこちにありますよ」と、爽やかに認めるロド・サヤゲス監督。「僕たちの心に刻まれているものだから、どうしても無意識に出てきてしまう。わざと取り入れたのではなくて、自然に出てきたものなんです」ということだ。
サヤゲス監督によれば、脚本を書きながら「“これって『スター・ウォーズ』じゃない?”と自分で気付いてしまった」のだという。「それで“どうする?”って話になったんですけど、そのままにしておきました。勘のいい観客が気付いてくれたらいいかな、って」。
だから、「私はお前の父親ではない」や「もう救ってくれた」といったセリフは、『スター・ウォーズ』愛が染み付いた彼らによって「自然に発生したもの」なのだ。「最後のシーンは、構成も『ジェダイの帰還』の皇帝とダース・ベイダーとルークのシーンと比較できると思います」とサヤゲス監督が補足すると、「赤いスモークに包まれたレイランも、『エピソード5/帝国の逆襲』(1980)でハン・ソロがカーボン凍結されるところに似ています」とアルバレスも加える。「きっと熱心なファンは「えっ?」って驚くと思います(笑)。気に入ってもらえたら嬉しいな」。
『ドント・ブリーズ2』は、大ヒット公開中。