『X-MEN: ダーク・フェニックス』フォックス初のディズニー配給作品となる可能性 ― 『オリエント急行殺人事件』続編は公開延期

映画『X-MEN』シリーズの最新作『X-MEN: ダーク・フェニックス(邦題未定、原題:Dark Phoenix)』が、ディズニーに配給される初めての20世紀フォックス作品となる可能性が浮上しているという。米The Hollywood Reporterが報じた。
2018年6月、ウォルト・ディズニーカンパニーは21世紀フォックスの映画事業(20世紀フォックス)やテレビ事業(FOX ネットワークスなど)をはじめとした複数の事業を713億ドル(7兆8,430億円※1ドル110円換算)で買収することで合意。翌7月には両社の株主から承認を受けており、2018年10月現在、2019年前半の事業統合完了が予定されている。
こうした動きが背景にあるからであろう、20世紀フォックスは映画の米国公開スケジュールをここ最近で大きく組み換えてきた。『アリータ:バトル・エンジェル』は2018年12月21日から2019年2月14日へ(日本公開日は2019年2月22日)、『X-MEN: ダーク・フェニックス』は2019年2月14日から同年6月7日へ。またブラッド・ピット&トミー・リー・ジョーンズ主演のSF映画『Ad Astra(原題)』は2019年1月11日から同年5月24日へ延期となり、これに押し出される形で、デイヴ・バウティスタ出演のアクション映画『Stuber(原題)』は2019年5月24日から同年7月12日へと移動した。
ケネス・ブラナー監督・主演を務める『オリエント急行殺人事件』(2017)の続編映画『ナイルに死す(邦題未定、原題:Death on the Nile)』は、米国公開日が2019年12月20日から2020年10月2日へと大幅に延期されることも判明。ディズニー/ルーカスフィルムによる『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』が2019年12月20日に米国公開されることも大きな理由とみられる。

ディズニーとの事業統合、3ブランドは存続へ
こうした中、2018年10月18日(米国時間)にディズニーは事業統合後の人事を一部発表した。20世紀フォックスの副会長兼製作統括のエマ・ワッツ氏、フォックス・サーチライト・ピクチャーズ共同会長のスティーブ・ギルラ氏&ナンシー・アトリー氏、FOX2000代表のエリザベス・ガブラー氏は現職を引き続き担うという。すなわち、これら3つのブランドは事業統合後も存続されるわけである。
一方で確かなのは、フォックスによる作品はいずれ、すべてディズニーによって広報・配給が担当されるということだ。ただしThe Hollywood Reporterが入手した情報によれば、ディズニーがそうした仕事に着手するのは『アリータ:バトル・エンジェル』以降になるだろう、とのこと。前述の『Ad Astra(原題)』も直前に控えているが、早ければ2019年6月米国公開予定の『X-MEN: ダーク・フェニックス』が、ディズニーによって配給される初めてのフォックス作品となる可能性がある。
ディズニーによる事業買収が報じられた2017年12月以降、20世紀フォックスは新たな映画の公開を積極的に計画・発表していない。すでに発表されていた作品も公開日の変更が相次いでおり、しかもその多くは、事業統合が完了しているとみられる2019年後半以降にずれ込んでいる状況だ。
現在の大規模なスケジュール変更からも十分に察しがつくように、ディズニーとフォックスの事業統合後、これまで両社が抱えていた話題作や注目作の数々は、それぞれ公開時期が被らないよう緻密にコントロールされていくとみられる。映画ファンにとってそれが良いことなのか、そうでないことなのかはまだわからない。
Source: THR
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