デヴィッド・リンチ版『デューン/砂の惑星』8月2日公開決定、4Kリマスター版で復活

デヴィッド・リンチ版 『デューン/砂の惑星』が、2024年8月2日(金)より4Kリマスター版で劇場公開となることが決定した。誰もが知る不朽の名作や、密かに人気を博す隠れた傑作を、東京テアトルのセレクションで贈るスペシャル・プログラム「テアトル・クラシックス ACT.4」での上映となる。
映画化不可能といわれたSF界の金字塔フランク・ハーバートの大長編小説を、鬼才デヴィッド・リンチ監督が独自の映像美学で映画化した超大作。主演には、「ツイン・ピークス」のデイル・クーパー役で知られるカイル・マクラクランを迎えた。最終的な編集権がスタジオ側にあったことから勝手な編集が施され、出来上がった映画はリンチにとっては不本意なものになったという逸話もある。

当初は、1971年に『猿の惑星』(1968)の映画プロデューサー、アーサー・P・ジェイコブスが原作小説の映像化権を獲得し、企画が進められようとしていたが、企画初期の73年に急死したためプロジェクトは日の目を見ずして消え去った。その後、『エル・トポ』(1970)の巨匠アレハンドロ・ホドロフスキーの手によって映画化を進めていたが、原作小説の濃密さを徹底して反映させようとしたため、上映時間が12時間を超え、その的外れなスケールゆえ資金面の理由から撮影開始に至ることなく挫折した。
そして近年、ティモシー・シャラメを主演に迎え、『メッセージ』(2017)や『ブレードランナー 2049』(2017)のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督によってリメイクされ、続編『デューン 砂の惑星PART2』が本日3月15日(金)より全国公開となる。
デヴィッド・リンチ版『デューン/砂の惑星』は、巨額の製作費を回収できず赤字となったが、今では映画ファンのあいだでカルト作として崇拝されている。砂虫(サンド・ウォーム)の恐ろしい造形や、登場人物の醜悪な容姿。そして未知のクリーチャー的なキャラクターたち。まさに全盛期を迎えつつあったデヴィッド・リンチワールドが詰め込まれた作品であり、細部にまでこだわった独特のイメージはリンチワールド全開だ。
アメリカのSF作家フランク・ハーバートの大河SF『デューン/砂の惑星』を、『キングコング』(1976)などを手掛けた大物プロデューサーであるディノ・デ・ラウレンティスが、『イレイザー・ヘッド』(1976)、『エレファントマン』(1980)に続く長編3作目を手掛けることになったデヴィッド・リンチ監督を招聘し、映画化が実現。SFX担当には『レイダース 失われたアーク』のキット・ウェストと『遊星からの物体X』のアルバート・ホィットロック、そして生き物のモデル・メーカーには『E.T.』のカーロ・ランバルディーが起用された。
時は10191年。宇宙は皇帝シャダム4世によって支配されていた。この時代に最も貴重な資源は、メランジと呼ばれるスパイス。体を動かさずして自由に旅ができることから、宇宙旅行には必須の物質だった。このスパイスを採取できるのは、砂に覆われ巨大な虫が支配する“デューン”と呼ばれる砂漠の惑星アラキス。この星を舞台に、覇権をめぐって繰り広げられる勢力争いが描かれる。
銀河の大勢力のひとつに君臨する大王皇帝シャダム4世は、自分の地位を脅かしそうな“救世主”の出現を恐れていた。やがて砂の惑星アラキスに住む皇帝のいとこ、アトレイデス公爵の息子ポールこそが救世主と判明し、皇帝は公爵の敵であるハルコネン男爵と手を組んでアトレイデス侯爵の失脚を図る。結果、腹心の部下に裏切られた公爵は自害し、ポールと母親ジェシカは砂漠に逃れ、アラキスの原住民であるフレーメンの集団に合流。一大軍団を組織する。巨大なサンドウォーム(砂虫)を操り、ポールはハルコネン男爵の軍を次々と壊滅してゆく。やがてフレーメンに伝わる“命の水”を飲んで超人化したポールは、皇帝に最後の闘いを挑む。
「テアトル・クラシックス ACT.4『デューン/砂の惑星』4Kリマスター版」は2024年8月2日(金)より シネ・リーブル池袋 ほか全国順次公開。
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