『ダンケルク』クリストファー・ノーラン、ハリー・スタイルズ抜擢に絶対の自信 ― 『ダークナイト』ヒース・レジャーを回顧

クリストファー・ノーラン監督による新作『ダンケルク』で、キャスティングが発表されるやいなや賛否両論の声が起こったのは、人気グループ「ワン・ダイレクション」ハリー・スタイルズの抜擢だ。
トム・ハーディ、キリアン・マーフィー、マーク・ライランス、ケネス・ブラナー。そうそうたる実力派が揃うなか、なぜ演技経験のないハリーを起用したのか。ノーラン作品には合わないのではないか。これまでのノーラン作品を熱心に追いかけてきたファンほど、そのキャスティングには首をかしげる傾向にあったのではなかろうか。

しかし『ダンケルク』のプロモーションで、ノーラン監督はハリー・スタイルズの抜擢に絶対的な自信を見せている。なんと『ダークナイト』(2008)でジョーカー役にヒース・レジャーを起用した際のエピソードを引用しながら……。

ノーラン、ハリー・スタイルズの演技を絶賛


情報番組「エンターテインメント・トゥナイト」の取材に応じたノーラン監督は、『ダンケルク』のオーディションにハリーが現れた際のエピソードをこう振り返っている。

「自分の直感や、役柄にふさわしい人物を見つける能力を、私は監督として信じなきゃいけない。深く思い悩むことはないんだよ。私にとってハリーは新しい出会いだった。子供たちから名前は聞いていたけど、詳しくはなくてね……。(オーディションの時に)私が見たのは、すごく誠実で、映画俳優として十分な繊細さを持った、カリスマ性のある男だったよ」

||| 29.9.16 |||

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その後『ダンケルク』にハリーの出演が決まった後、映画ファンの間ではそのキャスティングに賛否が大きく分かれた。しかしノーラン監督はそれらを意に介さず、本編で見せるハリーの演技をこのように絶賛している。

「私が望むのは、みんなが映画を観た時にハリーの仕事を見落とさないことだ。すごく繊細で、とても真に迫っていてリアルなんだからね。彼には(劇中で)華やかさを与えなかった。大切なのは、彼が人間性や、あらゆる状況に置かれた人々の行動を文字通りの意味で見せることなんだ。彼はとても美しく、かつリアルに演じてくれたと思う。それこそ、監督として求めることだよ」

『ダンケルク』の撮影中、その現場は外部とは完全に遮断されていた。熱狂的なファンを持つハリーだが、撮影が秘密で行われたこともあり、その影響が製作に表れることはなかったという。なによりもハリー自身が、いわゆる映画スターとは異なる人気を誇る自らのスター性を現場では出さず撮影に臨んでいたそうだ。

「ハリーは(撮影に)すごく情熱を注いで、兵士たちのひとりであろうと決めていたんだ。現場に来ては、周囲のとても経験豊かな俳優たちから学んでいたし、ためらいなく役に挑んでいた。彼はこの作品で素晴らしい仕事をしてくれたと思うよ。みんなに見てもらうのが本当に楽しみだ

ちなみにノーラン監督は、かつて『ダークナイト』にヒース・レジャーを起用したことを思い出してもいたようだ。

「ジョーカー役にヒース・レジャーをキャスティングした時、多くの人が眉をひそめたし、いろんな議論が起きた。私は自分の直感を信じなきゃいけない。ハリーはこの役にピッタリだったんだよ」

賛否両論を巻き起こしたヒース・レジャーのジョーカーが、映画の劇場公開後どのような評価を獲得するに至ったかは今となっては語るまでもないだろう。ノーラン監督の慧眼は本作でも炸裂したのか、その答えは劇場で確かめることにしたい。

映画『ダンケルク』は2017年9月9日より全国ロードショー

 

Sources: http://www.etonline.com/movies/221152_christopher_nolan_compares_casting_harry_styles_dunkirk_to_making_heath_ledger_the_joker/
http://comicbook.com/2017/07/10/dark-knight-heath-ledger-joker-harry-styles-christopher-nolan/
Eyecatch Image: https://www.amazon.co.jp/X-Harry-Styles/dp/B07233YBCR/

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THE RIVER編集部。わかりやすいことはそのままに、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすくお伝えしたいと思っています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp へ。

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