アリ・アスター×A24『エディントン』予告編が米公開 ─ ホアキン・フェニックス、ペドロ・パスカル、エマ・ストーン、オースティン・バトラー豪華共演

『ミッドサマー』(2019)『ボーはおそれている』(2023)の鬼才アリ・アスター監督最新作、A24製作『エディントン(原題)』の米国版予告編が公開された。
本作には『ボーはおそれている』に続く再タッグのホアキン・フェニックスをはじめ、ペドロ・パスカル、エマ・ストーン、オースティン・バトラーというアリ・アスター史上最も豪華なキャストが出演。2020年、新型コロナウイルス禍を舞台とした“現代西部劇”だ。
2020年5月、ニューメキシコ州の町エディントンで、フェニックス演じる保安官と、パスカル演じる市長が対立。隣人同士の対立がエスカレートしていき……。
公開された予告編は、Instagramのフィードを次々とスクロールする形式で展開。はじめは新型コロナウイルスについて、ニュースのキャスターが「中国の武漢にある研究所に注目が集まっています」と語る。「設立されたのは1956年で、有名人として初感染したトム・ハンクスが生まれた年です。映画『めぐり逢えたら』でおなじみの……」。
続いて登場するのは、フェニックス演じるジョー・クロス保安官だ。「自分の命が大事ならよく考えるべきだ。エディントンの人々は銃が大好きで……」。
若者はマイクを片手に声をあげる。「あなたの痛み、それは偶然じゃない。あなたは偶然じゃない、僕たちは偶然じゃない!」。オースティン・バトラー演じる青年ヴァーノン・ジェファーソン・ピークは、「自分の心を取り戻そう、アイデンティティを取り戻そう」と綴っている。
エマ・ストーン演じるルイーズ・クロスは、カメラに向かって語りかける。「昨日の夫による発表を否定します。事実ではありません」。
連続して映し出されるのは、少女が「ジェームズ・ボールドウィンの『ジョヴァンニの部屋』を読み終えたとき」として踊る映像に、「1いいね=1ACAB(警官はクソ)」というキャプションが添えられた投稿(2020年5月のジョージ・フロイド殺害事件とBlack Lives Matterを踏まえている)。
また、マイケル・ジャクソンが2001年の同時多発テロについて警告を得ていたのではないかとする投稿には、「#性的人身売買」「#真実」「#検閲は存在する」「#アメリカファースト」などのハッシュタグが添えられている。さらに2020年6月2日に行われた、黒人差別と警察の残虐行為に反対する「Blackout Tuesday」の投稿もみられる。
パスカル演じる市長テッド・ガルシアは、「ニューメキシコ州のエディントンは、わずかな人口にもかかわらず、オンライン・サークルで急速に協力しあっています。私はこの町を率い、パンデミックや人種・経済問題と戦い続けます」とスピーチ。投稿には、「未曾有の危機にエディントンの安全と、コミュティのみなさんを守ります。テッド・ガルシア市長に一票を!」とある。
さらに投稿が切り替わると、再びCNNのニュース映像だ。「“治安維持”殺人事件に揺れる町で保安官が抗議者に暴行」。映っているのはクロス保安官で、詰め寄る市民たちを前に、「事故だったんだ、説明させてほしい」と訴える。
そして、これらの映像を見ているのが他ならぬクロス保安官である。薄暗い部屋で横になりながら、彼はじっとスマートフォンの画面を見つめて……。
監督・脚本・製作はアリ・アスター。コロナ禍の自主隔離生活、小さな町、SNSで無限に流れてくる投稿というモチーフを重ねながら、今度はいったい何を描き出すのか。ポスタービジュアルには崖から落下する牛たちと、「今から思えば2020年だ」というフレーズがデザインされている。
そのほか、出演者は『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』シリーズや『アメリカン・スナイパー』(2014)のルーク・グライムス、『ジョーズ・バケーション』(2022)のディードル・オコンネル、『エンパイア・オブ・ライト』(2022)のマイケル・ウォード、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019)のクリフトン・コリンズ・Jr.ら。
映画『エディントン(原題)』は2025年7月18日に米国公開予定。5月のカンヌ国際映画祭にてワールドプレミア上映を迎える。
▼ アリ・アスターの記事
小島秀夫『DEATH STRANDING』実写映画化、監督・脚本に『PIG/ピッグ』『クワイエット・プレイス:DAY 1』マイケル・サルノスキ起用 アリ・アスター会社も参加 アリ・アスター製作、ジェシー・アイゼンバーグ主演『サスカッチ・サンセット』2025年5月日本公開決定 ─ 謎めいた動物の生き残りを描く ネイチャーポップムービー ニコラス・ケイジが夢に出てくる悪夢スリラー『ドリーム・シナリオ』トラウマ予告編が公開 ─ A24、アリ・アスター製作 平凡な日常が、悪夢へと変わる ニコラス・ケイジが数百万人の夢の中に現れて悪事を働く?『ドリーム・シナリオ』11月22日公開決定 ─ A24×アリ・アスター製作のドリーム・スリラー 寝ている時はニコラス・ケイジにご注意を アリ・アスター監督新作にホアキン・フェニックス、エマ・ストーン、ペドロ・パスカル、オースティン・バトラーが出演 ─ 保安官を描くA24映画『Eddington』 旬なメンバー大集結