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中国企業、勤務時間中に『アベンジャーズ/エンドゲーム』を部署ぐるみで鑑賞 ─ 幹部2名が処罰される

アベンジャーズ/エンドゲーム

中国・黒竜江省の黒河市にある国営の暖房企業が、映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』を部署ぐるみで勤務時間中に鑑賞していたとして処罰された。香港の英字新聞South China Morning Postが報じている。

問題が発生したのは、『アベンジャーズ/エンドゲーム』が中国で公開された2日後にあたる2019年4月26日(金曜日)。中国共産党の規律検査委員会は、この企業のカスタマーセンターの職員たちが、映画鑑賞のため数時間にわたって職務を放棄したという情報を入手。4月下旬に抜き打ち調査を行ったという。

このたび規律検査委員会は、部署ぐるみで勤務を放棄するという行為は「悪影響を生むもの」「日常的な監督不行き届きを証明するもの」であり、「共産党員の思想的、政治的教育に不十分」との声明を発表。問題の企業からは、主任のチャン・ディン氏とハン・ドン社長が姿を消した。報道によれば、チャン主任は警告を受けて異動を命じられ、ハン社長は取締役会にて自己批判を求められたという。

現在、『アベンジャーズ/エンドゲーム』は中国で史上空前の大ヒットを記録中。しかし、公営企業の職員たちが揃って仕事を抜け出すとは、さすがに常識の範囲を逸脱した――あまりにも恐れ知らずの――行為と言わざるをえないだろう。

今回の一件を受けて、黒河市の環境保護局など周辺団体は、党の規律を遵守するための勉強会を急遽開催。4月30日の時点で、市の規律委員会は本件を「腐敗」のひとつとして紹介したという。また黒河市の最高人民検察院と中国人民政治協商会議は、取り締まりをさらに厳格化し、問題を未然に防ぐ方針を新たにしている。

なお報道によれば、中国共産党はここしばらく規律の徹底に努めているとのこと。2019年に入ってからは、寧夏回族自治区の職員が、勤務中にドキュメンタリー番組を視聴していたとして解雇されているのだ。South China Morning Postは、職員の役職、問題行動の時期を問わずに規律を徹底する動きが功を奏していると伝えた。

すべてを賭けて(Whatever It Takes)

Source: South China Morning Post

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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