【ネタバレ】『アベンジャーズ/エンドゲーム』ラストシーン解説 ─ ◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯の◯◯に込められた思い

ペギーとのダンスに残された謎
「彼はキャプテン・アメリカではなく、スティーブ・ロジャースとしての選択をしたのだと思います。過去に戻り、別の幸せな人生を選んだ。愛する人と一緒に、残りの人生を生きることにしたんです」。中国メディア贵圈において、ジョー・ルッソ監督はこう語った。スティーブがペギーとともに過ごす穏やかな日常は、スティーブ自身が望んでいた、しかし冷凍睡眠状態から目覚めた時点で叶わなくなった(はずの)ものだ。
しかしマーベル・シネマティック・ユニバースにおいては、ある疑問が浮上してくる。『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)において、ペギーはスティーブではない誰かと結婚したことが判明していたのだ。では、『エンドゲーム』ラストのダンスはどういうことなのか。スティーブとペギーは結婚したのではないのか?
この問いかけに、ジョー監督は「その質問にはお答えできません。(ラストシーンは)どこか別の時間、別の場所での物語です。いつか答えが明かされるかもしれませんね」と答えた。なぜなら本作のタイムトラベルは、いわゆる“過去に戻って現在を変える”というものではないからだ。監督は「この映画のタイムトラベルは、新しい現実を作り出すものです」と述べている。
「エンシェント・ワンやハルクが言っていますが、過去に戻っても未来を変えることはできません。過去があなたの未来になるので、すでに起きたことは変えられない。でも新しい未来を作ることはできます。[中略]いくつもの宇宙をタイムトラベルしているのに似ています。あらゆる決断が、新しい時系列に影響を与えるわけです。」
つまりスティーブが過去に戻り、自分の人生を生きたということは、「スティーブ・ロジャースが自分の人生を生きた世界」がどこかに生まれたということだ。私たちの知るマーベル・シネマティック・ユニバースに、未来を知りながら何もしなかったスティーブが存在するわけではない。
「映画の最後には老いたキャプテン・アメリカが登場しますが、彼が過ごした人生のタイムラインは、この映画のタイムラインとは別物です。[中略]登場人物が戻ってきたということは、彼らが新しいタイムラインを生み出し、そこに暮らしていたという証拠。そっちのタイムラインは、こちら側、つまりこのシリーズ(MCU)で起きた出来事に影響を与えるものではありません。」