エマ・ワトソン、映画の宣伝は「魂を破壊することだった」 ─ 俳優を休業中、演技への情熱は健在

『ハリー・ポッター』シリーズのハーマイオニー・グレンジャー役で知られるエマ・ワトソンは、『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』(2019)を最後に俳優としての活動を休止している。スクリーンに復帰する意思や、今後のキャリアをどのようにとらえているのか、直近の心境を語った。
米Hollywood Authenticのインタビュアーから、演技が恋しくないかと尋ねられたワトソンは、「ある意味では、私は演技の宝くじに当たったようなもの。私に起こったことは尋常ではないことでした」と切り出している。
「実際の仕事そのものよりも大きい要素は、その芸術作品を宣伝して売り込むことです。そのバランスはすごく崩れやすいものなんです。正直に、率直にいうと、モノを売ることは恋しくありません。それは魂を破壊することだと気づいたんです。」
ワトソンは2023年12月、俳優活動から意図的に距離を置いていることを認めた上で、監督業や脚本執筆に集中していることを明かしていた。自分自身に向き合う時間を模索しながらも、今も演技そのものへの情熱は決して失っていないようだ。
「自分のスキルを使うことや、芸術そのものはすごく恋しいですよ。ただ、実際に楽しんでいたことがほんの少ししかできていないことに気づいたんです。撮影現場に入ると、リハーサルの時間はそう長くもらえません。でもシーンについて話し合う瞬間、あるいは準備して、どう演じたいのか考える瞬間、そしてカメラが回りだして、その一瞬以外、世界のすべてを完全に忘れることって、すごく濃密な瞑想のようなものなんです。だってそこ以外に存在することができないから。すごく解き放たれるんです。それはものすごく恋しいですね。」
裏方としての仕事に関心はあるかと問われると、「何でも考えてみるつもりです」と前向きな姿勢を見せた。「人生の基盤となる、最も大切なものは家と友人、家族です。私は長い間、一生懸命働きすぎて、人生が底を打ってしまったような気がします」と冷静で地に足のついたスタンスを徹底している。
『リリーのすべて』でアカデミー賞に輝いたアリシア・ヴィキャンデルも、快挙がもたらした成功の渦は扱いに困るものだったと語っていた。ローティーンで世界的俳優となり、文字通りスター街道を走り続けたワトソンにとっては、スターになったことで得た煩悶や葛藤はなおさら大きいものだったのだろう。ビジネスパーソン、アクティビストとして世界に貢献し続けるワトソンがどのような道を歩んでいくのか、今後も見守っていきたい。
▼エマ・ワトソン の記事
トム・フェルトン『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』でエマ・ワトソンから右フック、「もともとは平手打ちの予定だったのに」 エマ・ワトソン「楽しかった」 『ハリー・ポッター』エマ・ワトソン、俳優休業のワケを語る 監督業や脚本執筆に集中 『ハリー・ポッター』ハグリッド役ロビー・コルトレーンが逝去 ─ ダニエル・ラドクリフ、エマ・ワトソンら追悼コメントを発表 ご冥福をお祈りします 『ハリー・ポッター』特別映像、ダニエル・ラドクリフ&エマ・ワトソンらが20年目の再会を語る ─ 同窓会番組『リターン・トゥ・ホグワーツ』 必見ですよ 『ハリー・ポッター』エマ・ワトソン、同窓会は「天国のようだった」 ─ 20年後の再実施にも意欲 さっそく同窓会を振り返り
Source: Hollywood Authentic