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【ネタバレ】『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』削除シーンと幻の展開 ─ 当初は「彼」が襲ってくるはずだった

ファンタスティック4:ファースト・ステップ
© 2025 20th Century Studios / © and ™ 2025 MARVEL.

この記事には、映画『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』のネタバレが含まれています。

ファンタスティック4:ファースト・ステップ
(c) 2025 20th Century Studios / (C) and TM 2025 MARVEL.

ジョン・マルコヴィッチ&ポール・ウォルター・ハウザー

このたび明らかになったのは、ギャラクタス&シルバーサーファー以外に登場した/登場するはずだったヴィランの未公開シーンだ。わずかな出番ながら重要な役目を担ったモールマン/ハーヴェイ・エルダー(ポール・ウォルター・ハウザー)と、残念ながら本編から出番をすべてカットされてしまったレッドゴースト/イワン・クラゴフ(ジョン・マルコヴィッチ)である。

レッドゴーストは身体を霧のように変化させ、超類人猿(スーパーエイプ)を操るロシアの科学者。本作では序盤の回想シークエンスというかたちで、モールマンと同じようにファンタスティック4との対決が描かれる予定だったが、全体のバランスを鑑みてカットされたことが公開前から明らかになっていた

しかしながら、レッドゴーストは映画の終盤にも再度登場していたという。劇中、ファンタスティック4はギャラクタスの襲来から逃れるべく、地球上の各地にテレポーテーション装置を建設して地球ごと別空間に移動させる作戦を立てるが、いざ実行という瞬間にシルバーサーファーが地球を急襲。各地の装置が破壊され、計画は泡と消えてしまった。

ファンタスティック4:ファースト・ステップ
© 2025 20th Century Studios / © and ™ 2025 MARVEL.

CBR.comによると、この展開は当初、シルバーサーファーではなくレッドゴーストの手でおこなわれる予定だったようだ。撮影セットのレポートによると、ペドロ・パスカル演じるリード・リチャーズが、無線を通じて「イワン、今じゃない!やめろ!」と叫ぶ様子が撮影されていたという。

監督のマット・シャックマンは、「装置をどう破壊するかという点ではいくつかのアイデアがありました」と認めつつ、「映画を組み上げていくうちに、シルバーサーファーが戻ってくるほうがよりよいと感じた」と話している。「私たちがよく知り、長い時間観ている悪役の物語により忠実なものになりました」。

すなわちモールマンとレッドゴーストは、ともに序盤のシークエンスで紹介され、クライマックスで再び登場する想定だったのだ。モールマンは残されたが、レッドゴーストは(おそらくシルバーサーファーを重視するためだろう)どちらの出番もカットされている。

もっとも、そのモールマンにも本来はもっと出番があったようだ。地上の人類を地底帝国サブタレイニアへ避難させる際、ファンタスティック4は地底のリーダーであるモールマンに協力を要請する。そのとき、対立関係にあるらしい両者をつないだのがスー・ストームだ。完成版からはカットされたが、モールマンとスーの歴史や関係を示すシーンがあったことがわかっている。

ファンタスティック4:ファースト・ステップ
© 2025 20th Century Studios / © and ™ 2025 MARVEL.

ComicBook.comにて、スー役のヴァネッサ・カービーは「時間の都合でカットされましたが、(モールマンとの)すごくいいシーンがあったんです。大好きなシーンでした」と語っている。どんな場面だったかは明かされていないものの、米Varietyでは「大好きなセリフがあった」とも言っているのだ。

「そのシーンで、彼女(スー)は“やろうと思えば、私は2秒であなたの脳に動脈瘤を作れる”と言うんです。コミックでもスーはこういう脅しをよく使うんですよ。“あなたの脳にフォースフィールドを張って動脈瘤を作れる、体内に気泡を詰め込んで一瞬で殺せる”と。」

共演したハウザーを「素晴らしい」と称えるカービーは、「将来的に彼(モールマン)はもっと活躍するはず」「続編ができればもっと共演できるかもしれないと思うと楽しみ」とも話している。

ファンタスティック4:ファースト・ステップ
© 2025 20th Century Studios / © and ™ 2025 MARVEL.

ちなみにシャックマン監督は、「最高だったれど使わなかった、使えなかったものがたくさんある」と米Colliderにて告白する。それでも、本編からカットしたことに後悔はまったくないそうだ。「全体像を見て、カットしたほうが筋が通る、全体の利益になると思えたから削除しました。出演者やデザインチーム、撮影もすべて素晴らしかったので、映画に残せたらよかったシーンはたくさんあります。けれども、それらは最高の物語のためにならなかったんです」。

映画『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』は公開中。

Source: CBR.com, ComicBook.com, Variety, Collider

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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