映画『ファンタスティック・ビースト』に魔法をかけた“魔法使いたち”、英国のVFX制作会社を紹介!
2001年、J.K.ローリング原作の『ハリー・ポッターと賢者の石』がスクリーンに登場してから、魔法は私たちを魅了し、そして夢を与えた。そして2016年、『ハリー・ポッター』からバトンを受け取って、新たな魔法の世界が始動した。
映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』は、ハリー・ポッター達がいた時代よりもひと昔前の物語だ。ハリー達が学校で使っていた教科書『幻の動物とその生息地』(実際に出版されている)をもとに製作され、その著者であるニュート・スキャマンダー(エディ・レッドメイン)という魔法動物学者を主人公に展開する。新たな魔法の世界が繰り広げられる。
『ファンタスティック・ビースト』ストーリー
絶滅に瀕している魔法動物達を保護し、育て、理解してもらう活動をしているニュート・スキャマンダーは、ある日大切にしている秘密のトランクを取り違えて、ある事件を起こしてしまう。その事件は次第に、人間界と魔法界に一発触発の緊迫した空気をもたらしていくのだが……。

魔法動物たちを具現化する映像技術
『ファンタスティック・ビースト』の主人公ニュート・スキャマンダーは人付き合いが下手な青年だ。そんな彼が愛してやまないのが、魔法動物達である。可愛らしい見た目からは想像もつかないほど危険な動物や、まるで人間のような行動をする魔法動物など、様々なキャラクターが、劇中ではニュートとドタバタの鬼ごっこを繰り広げる。
もちろん登場する魔法動物達はCGなのだが、そのクオリティの高さには「本当に生きてるみたい」と思わずにはいられない。
まず驚いたのはその毛並みだ。光り物に目がないモグラ型のニフラーを見てみると、その毛並みは艶やかで柔らかそうな印象を受ける。そのほか、木の妖精ボウトラックル、白い鷲のようなサンダーバードなど、登場する魔法動物はどのキャラクターも魅力的に描かれていた。
また劇中の魔法の演出は、かつての『ハリー・ポッター』シリーズよりもクオリティが格段に上がっている。隅々までその世界観を完璧に再現しているため、どっぷりとその世界に浸かることができる。日々進歩し続けるCG技術について、ジェイコブ役のダン・フォグラーはこう語っている。
「今回の『ファンタスティック・ビースト』についてはCGの技術がだいぶ発展してきていたよ。昔だったら全面グリーンスクリーンに印がしてあって、そこを見ながら芝居をする必要があったけど、そういうのは減ってきていて、逆にCGがこっちの視線に合わせてくれるようになってきているんだ。その分、役者としてもちょっとアドリブを加えてみたり、楽しみながら演じることもできて、シーンを自分のものにできるようになっていたよ」
出典:海外ドラマNAVI 「大ブレイク間違い無し!『ファンタスティック・ビースト』ダン・フォグラー&アリソン・スドル直撃インタビュー」
映画の裏側で活躍する“映像の魔法使い”
CG技術の進歩によって、現実とリアルに融合した映像技術は向上し、また俳優の演技にも広がりが生まれているようだ。まるで『ファンタスティック・ビースト』の世界観を丸ごと映像化することそのものが魔法のように思えてくる。
何もなかったところから街を作りだし、魔法動物さえ生み出してしまう。そんな素晴らしい映像技術で『ファンタスティック・ビースト』に魔法をかけたのは、Framestore、Double Negative、MPCといった英国のVFX制作会社である。今回はそんなVFX制作会社に注目してみたい。
Framestore(フレームストア)
公式ウェブサイト: https://www.framestore.com/

イギリス・ロンドンに所在するVFX制作会社。ダブル・ネガティブやムービング・ピクチャー・カンパニーと並ぶイギリス最大のスタジオであり、ハリウッド映画のVFX制作によく参加している。本社の他にもアメリカとカナダに計3つの制作拠点(ロサンゼルス・ニューヨーク・モントリオール)を構えている。