『ファンタビ』ニコラス・フラメル役、演じたのはカルト界の巨匠の息子だった ─ 父親とは意外な共通点も

映画『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』(2018)では、ハリー・ポッター魔法ワールドの伝説的人物が実写デビューを果たした。賢者の石の創造主として知られる錬金術師、ニコラス・フラメルだ。魔法ワールドの映画シリーズ誕生から約17年目で実写初登場を飾ったニコラス・フラメルだが、小説では第1作『ハリー・ポッターと賢者の石』で登場している。
同書では、フラメルが665歳であることが明かされていた。いざ『黒い魔法使いの誕生』で実写登場するや、“年齢を感じさせない”話しぶりや口調で、最後にはグリンデルバルドとの戦いに参戦する活躍を見せた。ジェイコブとのコミカルなやり取りも印象的だったが、演じた俳優を知らないという方も多いのでは?
フラメル役に抜擢されたのは、ブロンティス・ホドロフスキー。名字にピンと来た方もいるかもしれないが、ここ10年では『リアリティのダンス』(2013)や『ホドロフスキーのDUNE』(2013)『ホドロフスキーのサイコマジック』(2019)などを発表したカルト界の巨匠、アレハンドロ・ホドロフスキーの息子としても知られている。ブロンティス自身も俳優で、8歳の時に父アレハンドロが手掛けた『エル・トポ』(1970)で演技の世界に入った。ブロンティスは『黒い魔法使いの誕生』出演当時は56歳で、特殊メイクを施してフラメル役を演じている。
ニコラス・フラメル役にブロンティス・ホドロフスキーという絶妙なキャスティング、どのようにして実現したのかを知りたいと思う人は大勢いるだろう。しかし、残念ながらブロンティスは同作のプロモーションに参加しておらず、製作陣やキャストが起用の経緯を語っているインタビューはザッと調べた限り見当たらない。
もっとも、興味深い事実はある。ニコラス・フラメルは錬金術師として知られているが、1973年の映画『ホーリー・マウンテン』ではアレハンドロ・ホドロフスキーが錬金術師役を演じていたのだ。仮にもブロンティスがフラメル役の相談を父親にしていたとしたら、「錬金術師はいいぞ」とオススメされていたのかもしれない。同じ肩書きとはいえ、フラメルは『ホーリー・マウンテン』の錬金術師とは似ても似つかぬが……。