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【考察】『ファンタビ』第1作、本物のグレイブス長官の行方は? ─ マッドアイ方式から考える、J.K.ローリングの見解も

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅
(c) 2016 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved. Harry Potter and Fantastic Beasts Publishing Rights (c) JKR.

この記事には、『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』(2016)のネタバレが含まれています。

映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』(2016)では、ある一つの大きな疑問が解決されていないままだ。グリンデルバルドによって化けられていたMACUSA(アメリカ合衆国魔法議会)の長官、パーシバル・グレイブスの“本体”はどこにいるのか?というものである。

コリン・ファレルが演じたグレイブスは、MACUSAの魔法法執行部部長を務める闇祓い。本編序盤から登場したグレイブスは、闇のエネルギー“オブスキュラス”を秘めた少女の捜索を独自に進めたり、オブスキュラスを黙って保管していたニュート・スキャマンダーを部下のティナ・ゴールドスタインと共に処刑しようとしたり、不可解な行動を見せていた。しかし、クライマックスでは、彼の正体がグレイブス長官に化けていたグリンデルバルドであったことが明かされた。

マッドアイ方式、コリン・ファレル&原作者の見解

ニュートの「レベリオ(現われよ)」によってグリンデルバルドの正体が暴かれたはいいものの、本物のグレイブスはどこにいったのだろうか。結果から言うと、この疑問に関して正式な回答というものは存在していない。とはいえ、ティナもグレイブスを上司として慕っていたようだし、本物は善人だったのでは?と想像すると、どうしても行方が気になってしまうものだ。

ところで「他人に身体を乗っ取られた」という境遇、どこかで聞き覚えがないだろうか。『ハリー・ポッター』シリーズ第4作『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』(2006)でも同じ事が起きていたではないか。身体を乗っ取られていたのは、有名な闇祓いとして知られたマッドアイこと、アラスター・ムーディ。ヴォルデモート卿の復活に手を貸していた魔法法執行部のバーテミウス・クラウチの息子クラウチ・ジュニアは、ホグワーツ内部から暗躍すべく、ポリジュース薬を飲み、マッドアイの姿に化けていたのだ。

もっとも、行方の知れないグレイブスに対して、本物のマッドアイはクラウチ・ジュニアに服従の呪文をかけられ、監禁されていたことが明かされる。このアイデアを参考にすれば、グレイブスの本体もグリンデルバルドによってどこかに監禁されているのではなかろうか。もしくは、「より大きな善のために」という信念を掲げ、殺戮を犯してきたグリンデルバルドによって殺されてしまっている可能性も捨てきれない。

『魔法使いの旅』の公開からしばらくが経過した2017年3月、まさに後者のグレイブス死亡説を唱えた人物がいた。グレイブスを演じたコリン・ファレル本人だ。グリンデルバルドの身体を乗っ取られた後のグレイブスについて、ファレルは「コピーされる人間はどこかで生きてなきゃいけないですよね」と話しながら、次のような末路を推測していた。「たぶん浅い墓の穴に入っていて、映画の結末から17時間後には餓死することになってたんです」。

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅
© 2016 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved. Harry Potter and Fantastic Beasts Publishing Rights © JKR.

つまり、ダンブルドア先生らによって発見され、救出されたマッドアイとは違い、グレイブスは1人飢えに苦しみながら亡くなったというのがファレルの仮説だ。あまりの悲劇に、正式な見解が出されていないことが、せめてもの救いに感じられてくる。

結局のところグレイブスを巡る生死の判断はつけられないが、実は原作者のJ.K.ローリングが、グリンデルバルドがグレイブスの身体を手に入れた方法について、こう語っていた。「ポリジュース薬ではありません。グリンデルバルドの変身術は多くの魔法使いを超えています。彼はパーシバル・グレイブスの外見を手に入れるべく、薬ではなく呪文を使ったのです」。

ローリングの発言から、少なくともマッドアイ方式ではないことだけは確かなようだ。それにしても、呪文を使ったということだから、それが何にせよ非常に強力な変身術だったに違いない。そういえば第2作『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』(2018)でも、グリンデルバルドは容姿をスワップして脱獄に成功していたっけ……。

Source:  MTV NewsJ.K. Rowling

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。