『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』ジュード・ロウ、ダンブルドアのゲイ設定や劇中の意図を語る ― 「ダンブルドアの同性愛について描く映画ではない」

「ハリー・ポッター」魔法ワールドの最新作、映画『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』の日本公開が、いよいよ2018年11月23日(金・祝)に迫っている。本作の大きな見どころのひとつは、『ハリー・ポッター』シリーズでおなじみアルバス・ダンブルドアの若き日が描かれることだ。演じるのは、『シャーロック・ホームズ』シリーズのジョン・ワトソン役などで知られるジュード・ロウである。
しかし2018年初頭、ダンブルドアの設定をめぐっては作り手とファンの間で“すれ違い”が起こった。原作者J・K・ローリングは、ダンブルドアが同性愛者であること、悪に堕ちる以前のグリンデルバルドと恋仲だったことを明かしていたのだが、デヴィッド・イェーツ監督は、映画でこの設定を「明示しない」と発言したのである。
この記事には、映画『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』の劇中要素について言及しています。本編の直接的なネタバレとなる内容は含まれていませんが、鑑賞まで一切の情報に触れたくない方は、鑑賞後にお楽しみください。
このたび米The New York Timesのインタビューにて、ジュードはダンブルドアの設定や、デヴィッド監督の発言の真相を尋ねられている。するとジュードは、「彼(監督)は僕にそんなこと言わなかったですよ」と述べた。ダンブルドアはゲイかと尋ねるたび、監督はこれを肯定。「僕が思うに、ダンブルドアはゲイですね」とジュードも言い切っている。
その一方で、ジュードは『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』という作品やダンブルドアの設定について、このように言葉を重ねた。
「こういう言い方をしましょう。この映画はダンブルドアの同性愛について描く作品でも、彼という人間をセクシャリティが形づくる作品でもありません。ただし、確かにその関係性は、ダンブルドアという人物や、彼の目的が何であるかを示す要素となっています。
それから僕は、ダンブルドアが多くの人間に全身全霊を捧げてきた人間だとは思いません。二人の(グリンデルバルドとの)関係は彼を動揺させることになったし、彼の心を氷づけにしてしまった。そして実際のところ、誰もその氷を溶かせなかったんですよ。」
実際のところダンブルドアとグリンデルバルドの関係がどのように描かれているのか、そのエモーショナルな側面がジュードによっていかに演じられているのかは映画本編で確かめてほしい。ともあれジュードのアプローチは、かつてダンブルドアという人物にはあまりみられなかった方向性からのものといえそうだ。

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ちなみにこのインタビューのなかで、ジュードは「ゲイのキャラクターが子どもたちの憧れとなる時代は来ているのでしょうか?」とも尋ねられている。ジュードの答えは「世界はそうなっていると思います。そうでなくとも、確実にそうなるはずですよ」。人間ドラマやセクシャリティの表現・描写はもちろんのこと、『ハリー・ポッター』シリーズを代表する魔法使いとしての大活躍にも期待しよう。
映画『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』は、2018年11月23日(金・祝)全国ロードショー。
『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/fantasticbeasts/
Source: The New York Times