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「MCUの成果がわかるには30年かかる」 ― マーベル社長、自社映画を収入以外でどう評価する?

マーベルのロゴ

2008年、マーベル・シネマティック・ユニバース『アイアンマン』で幕を開けた。それから10年が経ち、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)、そして『アベンジャーズ/エンドゲーム(邦題未定、原題:Avengers: Endgame)』をもって、過去10年間の物語は締めくくられようとしている。映画史上かつてない“シネマティック・ユニバース”構想は、その世界構築の方法のみならず、興行収入としても大きな成果をあげている。

しかしマーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長は――業界筆頭のウォルト・ディズニー・カンパニー傘下ではあるものの――決して興行収入だけを考えて映画製作を行っているわけではないようだ。ではケヴィン社長は、興行収入以外にどんな基準をもって作品を判断しているのだろうか?

マーベル映画は歴史に残るか

大手販売チェーン「コストコ」の発行する「Costco Connection」にて、ケヴィン社長は、自社作品を評価する基準は「もちろん、映画を好きになってもらえるかどうか」だと断言している。

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「一日後にも映画の話をしてもらえるような体験になっているか、です。一週間後は、一ヶ月後はどうか。内心、一年後もそうであってほしいと思っていますよ。人々は、数年経ったあとも映画の影響について語ることはしないと思うんです。今、私たちには年月が過ぎて、『アイアンマン』から10年が経ちました。また事実として、あらゆるキャラクターが従来以上に人気を得ています。そしてみなさんも、もっと彼らを見たいと思ってくださっています。彼らがどんなふうに変化してきたのかね。[中略]それがすごく嬉しいことですね。それこそが一番の証明ですよ。」

またケヴィン社長は、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や『スター・ウォーズ』という映画史に残る有名シリーズにも言及している。

子どもの頃大好きだった映画のことを考えると、これまでそうだったように、現在とも通じ合っていると思います。30年、40年経つことは、それ自体が大きなテストですよね。私たちの仕事の成果がわかるには、あと30年かかりますね。でも10年経った時点では、すごく良い状態だと思います。」

マーベル・シネマティック・ユニバースには、ロバート・ダウニー・Jr.やベネディクト・カンバーバッチ、クリス・プラットをはじめ、現代のハリウッドを代表する豪華スターが揃っている。また作品の内容に目を転じると、同時代性を深く注視した作品があれば、かたや底抜けにポップなエンターテインメント作品もある。“映画を、ユニバースを歴史に残す”という試みは、すでにさまざまな角度から進められているようだ。

ともあれ『アベンジャーズ』第4作をもって、過去10年のストーリーはひとまず完結することになる。歴史に残るだけの物語には、それ相応の優れた結末が必要だろう。もうすぐ、その大きな節目がやってくる。

映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』MovieNEXは2018年9月5日発売。『アベンジャーズ/エンドゲーム(邦題未定、原題:Avengers: Endgame)』は2019年4月26日(金)米国公開予定。

Source: Costco Connection

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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