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女性主人公の映画の方が興行成績で優れていることが明らかに ─「女性作品は売れないという認識は間違っている」米調査

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女性が主人公の映画は売れない?そんな考えはもう過去のものだ。最新の調査で、ハリウッド映画におけるジェンダーと興行収入の関連性に関する研究を行った結果、「女性作品=売れない」という固定観念を否定する有力なデータが浮かび上がった。

女性が率いる映画 すぐれた興行成績

調査対象となったのは、2014年1月から2017年12月にかけて公開された映画作品350作の世界興行収入。女性が率いる映画105作品と男性の245作品を比べ、どちらの方が興行収入を稼いでいるのかを比較した。調査機関は、Creative Artist Agency(C.A.A.)とShift7。

ここでの「女性が率いる映画」とは、エンターテインメント・データを提供する米グレースノートのスタジオ・システムで、一番最初に掲載されている名前が女性の作品を指す。

例えば、アニメ映画『トロールズ』(2016)は、『ピッチ・パーフェクト』シリーズで知られるアナ・ケンドリックの名前が最初に載っているため、「女性が率いる映画」。逆に、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015)や『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(2017)はレイ演じるデイジー・リドリーが主役と判断されることが多いが、グレースノートで最初に掲載されているのはそれぞれハン・ソロ役ハリソン・フォードとルーク・スカイウォーカー役マーク・ハミル。そのため、これら『スター・ウォーズ』2作品は男性が率いる映画として分類されている。

このたびの調査では、製作費によって「1,000万ドル未満」「1,000万ドル以上3,000万ドル未満」「3,000万ドル以上5,000万ドル未満」「5,000万ドル以上1億ドル未満」「1億ドル以上」の5つのグループに分類し、それぞれの興行収入平均値を計算。その結果、どのグループにおいても女性が率いる映画の方が、男性の作品より優れた興行収入成績をあげていたことが判明した。

製作費ごと興行収入成績。赤色が女性主人公の作品。出典:https://shift7.com/media-research

ベクデル・テスト合格作品も好成績

Creative Artist Agency(C.A.A.)とShift7は、映画、テレビ、その他フィクション作品におけるジェンダー・バイアスを測定する「ベクデル・テスト」に関する興味深い研究結果も公表した。Bechdeltest.comで掲載の319作品を調査対象としている。「ベクデル・テスト」が基準としているのは以下の3点だ。

  1. 最低でも2人の女性が登場するか
  2. 女性同士が会話をするか
  3. その会話は男性に関する話題以外か

この3点をクリアすれば、「ベクデル・テスト」合格作品となる。319作品のうち、基準を満たした作品は192作、不合格は127作だ。

この319作品を製作費「1,000万ドル未満」「1,000万ドル以上3,000万ドル未満」「3,000万ドル以上5,000万ドル未満」「5,000万ドル以上1億ドル未満」「1億ドル以上」に分け、それぞれの世界興行収入平均値を割り出した結果、どの製作費グループにおいても「ベクテルテスト」合格作の方が不合格作より優れた興行成績をあげていたことが明らかになった。また、2012年以降に世界興行収入10億ドルを突破した映画はどれも「ベクデル・テスト」を合格しているという。ちなみに、不合格で10億ドル突破した一番最近の作品は『ホビット 思いがけない冒険』(2012)だそうだ。

ベクデル・テストをクリアした作品の製作費ごと興行収入成績。赤色が女性主人公の作品。出典:https://shift7.com/media-research

3dot Productionsの設立者リザ・チャシンはこの結果について、「ベクデル・テストは非常に低い基準でありますが、これだけの映画が合格できなかったのは驚きです。当然、制作会社は最終収益を気にするので、経営者らがより簡単に、包括的な決定を下せるようなデータが増えてきていることを嬉しく思います」とコメントしている。

ハリウッドでのさらなる女性飛躍に向けて

このたびの調査結果は、ハリウッドに蔓延る「女性作品は売れない」という考えを否定できるところに大きな意義がある。

C.A.A.の代理人で本調査に携わったクリスティー・ハウベガーは、「女性主人公の作品はビジネス的に良くないという認識は間違っています。彼女たちはマーケティング資産です。」「女性は興行収入の半分を占めていますが、女性が率いる作品は(男性のと比べて)成功しないという業界の思い込みがあります。我々は、このデータがその推測に反する結果を出していることを明らかにしました」とコメント。

元ソニー・ピクチャーズ会長エイミー・パスカルは、「(人種・性別など)”全員”を象徴する人々がスクリーン上に登場することを、観客が望んでいる強い証拠です。ハリウッドの意思決定者は(このデータに)注意を払うべきです」、『テルマ&ルイーズ』(1991)の女優ジーナ・デイヴィスも「この場所には無意識の偏見が蔓延っています。真実を語ると、女の子や女性をスクリーン上で観るのは皆、特に子供達にとって良いだけではなく、良いエンターテイメントであり、良いビジネスなのです」と語り、「女性作品=売れない」という偏見を取り払うよう求めている。

このデータを通じて、ハリウッドにおける女性の活躍がより正当に評価されることを願いたい。

Source: shift7, Deadline, Bechdeltest.com (1,2)

Writer

Marika Hiraoka
Marika Hiraoka

THE RIVER編集部。アメリカのあちこちに住んでいました。

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