『フェラーリ』1月1日Netflixで配信開始 ─ アダム・ドライバー主演、危険なレースに挑む重厚ドラマ

新年、何観る?2026年1月1日の元旦よりNetflixで配信開始となるのが、アダム・ドライバー主演の『フェラーリ』。あのフェラーリ創業者エンツォ・フェラーリの情熱と狂気に満ちた生き様を圧倒的熱量で描く衝撃の実話。正月にゆっくり鑑賞したい作品が登場する。
フェラーリ創業者エンツォ・フェラーリは、元レーサーでありカーデザイナー、そして自動車メーカーの経営者として知られる。一方、その私生活は長らく謎に包まれ、1988年の死後も毀誉褒貶の渦中に置かれ続けてきた。本作が切り取るのは1957年、59歳のエンツォ。会社経営は逼迫し、家庭は崩壊寸前。英雄譚から最も遠い地点に立たされた男の一年だ。
フェラーリ社の設立から10年が過ぎた1957年、私生活と会社経営で窮地に立たされていたエンツォ。全てを投げうって、イタリア全土1000マイル縦断の公道レース“ミッレミリア”に挑戦するのだが……。
エンツォを演じるのは、アダム・ドライバー。『スター・ウォーズ』シリーズのカイロ・レン役で世界的に知られるドライバーは、撮影当時38歳にして59歳のフェラーリを演じ切った。老いを特殊メイクで誇張するのではなく、重心の低さ、声の抑制、沈黙の長さによって年齢と人生の重みを表現する。その演技は、フェラーリを「カリスマ」ではなく、孤独な決断者として立ち上げる。

監督は『ヒート』『コラテラル』など、ハードボイルドな作風を得意とする名匠マイケル・マン。本作は『フォード&フェラーリ』や『F1/エフワン』のようなレースの臨場感を楽しむ体感映画というより、むしろ死と隣り合わせのレースの過酷な暴力性を炙り出した重厚ドラマだ。

本作の感情的な核となるのが、エンツォの妻ラウラの存在だ。ラウラを演じるのはペネロペ・クルス。彼女は耐え忍ぶ妻ではない。裏切られ、息子を失い、それでもなおフェラーリ社の共同経営者としてエンツォと対峙する。二人の関係は愛と憎しみが分かち難く絡み合った泥沼であり、この夫婦関係こそが、フェラーリというブランドが危険な速度へと傾いていく原動力として機能している。

『フェラーリ』が描くのは成功の物語ではない。なぜエンツォ・フェラーリは、止まることができなかったのか。なぜ危険を選び続けたのか。その問いに、映画はマイケル・マン監督作ならではの冷徹な視線で向き合う。
これは情熱か、狂気か?正月休み、じっくり観入るのに相応しい一本だ。
なお、マイケル・マン監督の次作は、『ヒート』(1995)の続編『ヒート2』。マン自身が共同執筆した同名の続編小説を原作に、2026年8月に撮影を開始する予定だ。
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